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うば捨て山

うば捨て山

日本の昔話

むかしむかし、六十才をこえたお年寄りとしよりを、『うば捨てすて山』という山に捨てるすてる国がありました。

はじめは食べ物たべものがなくなったために仕方しかたなくお年寄りとしより捨てすてていたのですが、食べ物たべものがある今でも、この国では六十才をこえたお年寄りとしよりを山に捨てるすてるのです。

そうしないと、殿さまとのさまからひどい目にあわされるからです。

ある年の事、ちょうど六十才になったおじいさんがいました。

息子むすこや孫たちはおじいさんをかごに入れるいれると、仕方しかたなくうば捨てすて山へ出かけでかけて行きました。

うば捨てすて山は昼でも暗い森の奥なので、ちゃんと目印をつけていないと、ふもとには帰れかえれません。

かごの中のおじいさんは時々かごから手を出しだして、道の木の小枝をポキポキと折りおりました。

「おじいさん、こっそり村へ帰るかえるつもりかな?」

孫の言葉ことばに、息子むすこが心配顔で尋ねたずねました。

「おじいさん、ポキポキ折っおった小枝をたよりに、また帰るかえるつもりか?」

もしそうだとすると、殿さまとのさまにひどい目にあわされます。

おじいさんは、静かしずかに首を振りふりました。

「いいや、そうじゃない。

わしは、死ぬしぬ覚悟は出来できておる。

この枝は、お前おまえたちが村へ帰るかえるための目印だ。

道に迷わまよわぬようにな」

それを聞いきい息子むすこや孫たちの目から、涙がこぼれました。

「おじいさん、ごめんなさい!」

「おじいさん、かんべんな!」

「あははは。泣くなくな、泣くなくな。それよりも日がくれる前に、早くうば捨てすて山に行こいこうじゃないか」

おじいさんは孫の頭をなでながら言ういうと、息子むすこがきっぱりと言いいいました。

「いいえ、だめです! 殿さまとのさまから、どんなひどい事をされても構わかまわない! おじいさんも一緒に、村へ戻るもどるんです!」

こうして息子むすこたちはおじいさんを連れ戻すつれもどすと、こっそりと家の奥に隠しかくしておきました。

それから数年後、このお年寄りとしより大事だいじにしない国に隣の国から使いつかいて、こんななぞかけをしました。

どこからても色も形もそっくり同じ二匹のヘビを持っもって来て、

「どちらがオスで、どちらがメスかを当てあててみろ」

と、言ういうのです。

殿さまとのさま家来けらいたちも、どちらがオスでどちらがメスかなんて分かりわかりません。

そこで役人やくにんたちは、国中くになかの村々を回っまわっ尋ねたずねました。

「だれか、このなぞかけがわかる者はいないか? わかった者には、殿さまとのさまからほうびがもらえるそうだ」

しかし殿さまとのさま家来けらいたちにもわからないことが、村人むらびとにわかるはずがありません。

「うむ。誰もわからぬか」

役人やくにんたちがあきらめて帰ろかえろうとすると、あのおじいさんの孫が前に言いいいました。

「そんなの簡単かんたんさ。

家の座敷ざしきにワタをしいて、ヘビをはわせてみればいい。

一匹はジッとしているし、もう一匹はノロノロはい出すはいだすさ。

はい出すはいだす方がオスで、おとなしくしているのがメスだ」

「それは本当ほんとーか?」

「ああ、うちのおじいさんに聞いきいたから間違いまちがいないさ」

「なに? 確かお前おまえのところのじいさまは、とうのむかしにうば捨てすて山に捨てすてたはずでは」

「あっ、いや、その、聞いきいたのはむかしだ。ずーっとむかしに聞いきいたんだ」

「・・・ふむ。とにかく今は、なぞかけの答えこたえ殿さまとのさま知らせしらせねば」

役人やくにんたちはそう言ういうと、お城へと帰っかえっていきました。

孫が答えこたえたなぞかけの答えこたえ見事みごとに正解で、それを聞いきいた隣の国の使いつかいは感心しながら帰っかえって行きました。

実はこのなぞかけ、この国の人間にんげんがおろか者ばかりの国なら攻め込んせめこんでやろうと、隣の国の殿さまとのさま考えかんがえたものでした。

それが見事みごとに正解したので、隣の国の殿さまとのさまは、

「あの国には、知恵者ちえしゃがおる。下手へた攻め込んせめこんでは、負けるまけるかもしれん」

と、この国に攻め込むせめこむのをあきらめたのです。

さて、孫のおかげで助かったすかっ殿さまとのさまは、城に孫を呼び寄せるよびよせる言いいいました。

「そなたのおかげで、この国は救わすくわれた。約束通りほうびをやるから、何でも望むのぞむがよいぞ」

「あの、何でもでございますか?」

「そうだ。何でもよいぞ」

そこで孫は、殿さまとのさまにおそるおそる言いいいました。

「ほうびの代わりかわりに、その、うば捨てすて山に年寄りとしより捨てるすてるのを、やめるわけには・・・」

「ほう。なぜじゃ?」

「実は、あの答えこたえは、おじいさんに聞いきいたのです」

「うむ。むかし、じいさまに聞いきいたそうだな」

「それが、むかしではなく・・・」

孫から全てすべての事を聞いきい殿さまとのさまは、にっこり笑っわらっ言いいいました。

「よしわかった。そなたの望みのぞみを、かなえてやろう。これからは、年寄りとしより大切たいせつにすることを約束しよう」

こうしてこの国は、お年寄りとしより大切たいせつにする国になったと言ういうことです。

おしまい


こえる
年寄り
捨てる
はじめ
食べ物
なくなる
仕方
殿さま
あわす
おじいさん
息子
入れる
出かける
つける
ふもと
帰れる
出す
ポキポキ
折る
帰る
言葉
尋ねる
たより
静か
振る
死ぬ
出来る
お前
迷う
聞く
こぼれる
泣く
くれる
行く
なでる
言う
構う
戻る
連れ戻す
隠す
大事
使い
来る
見る
持つ
どちら
当てる
家来
分かる
役人
国中
回る
わかる
ほうび
もらえる
村人
あきらめる
出る
簡単
座敷
しいる
はい出す
本当
間違い
答え
知らせる
答える
見事
かける
人間
おろか
攻め込む
考える
知恵者
下手
負ける
しれる
おかげ
助かる
呼び寄せる
救う
望む
代わり
やめる
全て
笑う
望み
かなえる
大切

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「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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