muksi - story thumb

--:-- / --:--
とっくり幽霊

とっくり幽霊

江戸小話

むかしからお酒の好きすきな人は、意地いじが汚いと言わいわれています。

お酒があるうちは、

「もう一本」

「もう一本だけ」

「ほんとに、もう一本だけ」

最後さいごに、もう一本」

などと言いいいながら、ついつい全部ぜんぶ飲んのんでしまうからです。

でもこれが出来るできるは、お酒を買えるかえる幸せしあわせ酒飲みさけのみで、お金おかねのない酒飲みさけのみは、こうはいきません。

さて、ある長屋ながやに、貧乏びんぼーな侍がいました。

大のつく酒飲みさけのみでしたが、その日暮らしくらしがやっとのありさまで、酒などめったに飲むのむ事が出来できません。

この男があるとき、病で倒れたおれてしまいました。

男はまくら元まくらもとに、おかみさんを呼んよんで、

「わしがこのまま死んしんだら、なきがらはどうか備前びぜんの国(びぜんのくに→岡山おかやま県)の土にうずめてくれ」

と、弱々しい声で頼みたのみました。

「はい、それはよろしゅうございますが、あなたは備前びぜんの国には縁もゆかりもないでしょうに」

おかみさんが、不思議ふしぎそうに言ういうと、

「わしはこれまで、好きすきな酒を思うおもうように飲めのめなかった。

せめて死んしんでからは、ゆっくりと酒を飲みのみたい。

酒のとっくりは、備前びぜんの土で焼いやいた物が一番いちばんよいとされている。

備前びぜんの土になってとっくりに焼かやかれれば、いつでも酒を入れいれておいてもらえるからな」

と、男は言いいいました。

しばらくすると男はあの世あのよ行っいってしまい、備前びぜんの土にうめられました。

願いねがい通りにしてあげたのだから、どんなに喜んよろこんでいる事でしょう。

今頃いまごろはもう、とっくりに焼かやかれておいしいお酒を入れいれてもらい、幸せしあわせにしている事でしょうね」

おかみさんがそう思っおもっていると、ある晩おそく、男が幽霊ゆーれいになって現れあらわれました。

「うらめしや〜。水をくれえ、のどがかわいてたまらんのだ」

「あら? いったい、どうなされました。願いねがい通り備前びぜんの土になって、とっくりに焼かやかれたのではありませんか?」

おかみさんが聞くきくと、

「ああ、お前おまえのおかげで備前びぜんの土になることが出来でき、とっくりにも焼かやかれた。

しかしそれが、とんだあてはずれでな。

悲しい事に酒のとっくりではなく、しょうゆのとっくりなんだ。

毎日まいにちしょうゆびたりだもんで、のどがかわいて、かわいて、たまらずにてきたのだ。

うらめしや〜、水をくれえ」

「はいはい、いまあげますよ」

おかみさんがひしゃくに水をくんでさし出すと、男はうまそうにごくごくと飲んのんで、すうっと消えきえていったそうです。

♪ちゃんちゃん

(おしまい)


好き
意地
言う
最後
全部
飲む
出来る
買える
幸せ
酒飲み
お金
長屋
貧乏
暮らし
倒れる
まくら元
おかみ
呼ぶ
死ぬ
備前
びぜんのくに
岡山
うずめる
頼む
あなた
ゆかり
かみさん
不思議
思う
飲める
とっくり
焼く
一番
入れる
あの世
行く
うめる
願い
喜ぶ
今頃
幽霊
現れる
くれる
かわく
たまる
聞く
お前
おかげ
はずれ
しょうゆ
毎日
出る
あげる
ひしゃく
消える

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

muksi

MUKSI







Check Our Apps

download app on apple storedownload app on google play
© 2020 CopyrightiMuksiAll Rights Reserved.