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海の底の蛇の目傘

海の底の蛇の目傘

百物語

むかしむかし、金泉かないずみ(かないずみ)という村に、釣りつり好きの八蔵(はちぞう)という若者わかもの住んすんでいました。

八蔵が海に舟を出しだし釣糸つりいとをたらしていると、海草かいそーがゆれている岩かげに一本の蛇の目傘じゃのめがさ立てかけたてかけてあるのが見えみえました。

「はて? こんなところに、誰が落としおとした物やら」

今と違っちがって傘はとても高価こーかな物だったので、八蔵は傘を拾おひろおうと着物きもの脱いぬいで海に飛び込もとびこもうとしました。

その時です。

「しばらく、待てまて

不気味ぶきみな声が、八蔵の耳に届きとどきました。

八蔵は辺りあたり見回しみまわしましたが、誰もいません。

「気のせいか」

そしてまた海に入ろうとすると、今度こんどは大きな声で、

「しばらく、待てまて!!」

と、言っいったのです。

「どっ、どこだ? ・・・海の中からか?」

八蔵が恐る恐る海の底をのぞいてみると、傘がいきなりばっと開きひらきました。

「ひぇーー!」

びっくりした八蔵は、懸命けんめいに舟をこいで逃げ出しにげだしました。

そしてしばらく行っおこなった所で後ろうしろ振り返るふりかえると、長い髪を乱しみだした女が水面すいめん立ったっており、あの傘を持っもっ追いかけおいかけてくるのです。

「まてえー、まてえー!」

「おっ、お助けたすけを〜!」

八蔵は死にしに物狂いものぐるいで舟をこいで、なんとか無事ぶじに村の岸へたどり着きたどりつきました。

翌日よくじつ、八蔵は昨日きのー出来事できごとを村のみんなに話しはなしました。

するとみんなも、驚いおどろいた顔で言ういうのです。

「実はおれも、あの辺で傘を持っもった女が長い髪をすいとるのに出くわしでくわしたぞ」

「おれが出会っであったのも、あの辺だった。ひどく青い顔をしていたぞ」

「おれもだ、おれもた」

すると、それを聞いきいていた村一番の力自慢の長吉ちょーきち(ちょうきち)が言いいいました。

「よし、ならばこの長吉ちょーきちさまが、その青い顔の髪長女ちょーじょを退治してやろう」

翌朝よくあさ長吉ちょーきちはたった一人で舟をこいで行きました。

「さてと、この辺かな? 蛇の目傘じゃのめがさたというのは」

長吉ちょーきちは海の底をのぞいてみましたが、しかし傘はありません。

「なんだ? ここじゃないのか?」

するといきなり、青空あおぞらなのに大粒おーつぶの雨がざぁーざぁーと降り出しふりだして、海は高波たかなみになったのです。

「こりゃあいかん、早く岸へ戻らもどらにゃ」

長吉ちょーきちが舟をこいで岸に戻ろもどろうとすると、波間なみま蛇の目傘じゃのめがさ持っもった長い髪の女が現われあらわれました。

長い髪の女は鬼の様な恐ろしい形相けいそーで、長吉ちょーきち言いいいました。

「わしを退治するだと? この愚か者おろかものめが!」

水面すいめん走っはしっ追いかけおいかけてくる女に、さすがの長吉ちょーきち生きいき心地ここちがしません。

「おっ、お助けたすけを〜!」

何とか岸へたどり着いたどりつい長吉ちょーきちは家へと逃げ込みにげこみましたが、それからすぐに寝込んねこんでしまい、三日目に死んしんでしまったそうです。

おしまい


金泉
いずみ
釣り
若者
住む
出す
釣糸
たらす
海草
ゆれる
蛇の目傘
立てかける
見える
落とす
違う
高価
拾う
着物
脱ぐ
飛び込む
待つ
不気味
届く
辺り
見回す
今度
言う
のぞく
開く
懸命
逃げ出す
行う
後ろ
振り返る
乱す
水面
立つ
持つ
追いかける
助け
死ぬ
物狂い
無事
たどり着く
翌日
昨日
出来事
みんな
話す
驚く
すいとる
出くわす
出会う
見る
聞く
長吉
ちょう
長女
してやる
翌朝
出る
青空
大粒
降り出す
高波
戻る
波間
現われる
形相
愚か者
走る
生きる
心地
逃げ込む
寝込む

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muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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