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母親に化けたネコ

母親に化けたネコ

百物語

年を取りとり過ぎたネコは人間にんげん噛み殺しかみころし、その人間にんげん化けるばける事があると言わいわれています。

むかしむかし、あるところに、すっかり年を取っとっ母親ははおやと、その一人息子むすこがいました。

とても親孝行おやこーこー息子むすこで、珍しい食べ物たべものが手に入るはいると、自分じぶん食べたべないで母親ははおや食べたべさせました。

それほど大事だいじにしている母親ははおやが、病気になってしまったのです。

心配した息子むすこは少ない貯金をはたいて高い薬を飲まのませたり、町から医者いしゃ呼んよんできたりと、それこそ夜もないで母親ははおやの看病(かんびょう)をしました。

そんな息子むすこ想いおもいが天に通じつーじたのか、ある朝、母親ははおやの病気が突然治っなおって、元通りもとどーり元気げんきな体に戻っもどったのです。

でも、息子むすこ喜んよろこんだのもつかの間つかのま、病気が治っなおっ母親ははおや性格せいかくがガラリと変わっかわってしまい、少しでも気に入らきにいらない事があると狂っくるった様に怒りおこり出す様になったのです。

そればかりか母親ははおやは、生き物いきもの捕まえつかまえてきては水につけたり火にあぶったりと、残酷ざんこく(ざんこく)な事をする様になりました。

「おっかさん。なぜ、そんなひどい事をする」

息子むすこがいくら注意をしても、母親ははおやは怖い顔でにらむばかりです。

近所きんじょの人たちは怖がっこわがって、この母親ははおや近づかちかずかなくなりました。

(はて、どうしたものか? おっかさんが変わっかわってしまったのは、病気のせいだろうか?)

考え込んかんがえこんでいた息子むすこは、ふと思いおもいました。

(もしかすると、あのおっかさんは本物ほんものではなく、ネコが化けばけたものでは)

そう考えるかんがえると、思い当たるおもいあたる事はたくさんあります。

母親ははおやが病気で寝込んねこんでいた時、不気味ぶきみなネコがいつも母親ははおやをじっと見つめみつめていました。

それに以前いぜん大好きだいすきだったイヌを、病気が治っなおってからはひどく怖がるこわがる様になりました。

そもそも、医者いしゃから助からたすからないと言わいわれていた病気が、どうして突然に治っなおったのか。

(おっかさんは、あの時のネコに食いくい殺さころされたのでは?)

そこで息子むすこは、母親ははおや様子よーすを詳しく見るみる事にしました。

ある晩の事、母親ははおやが酒に酔いよいつぶて眠り込んねむりこんでしまいました。

(やはり、怪しい。おっかさんは、酒なんか一滴いってき(いってき)も飲めのめなかったのに)

怪しんあやしん息子むすこが、母親ははおや部屋へやをのぞいて見るみるとどうでしょう。

母親ははおや着物きものた一匹の古ネコが、

行灯あんどん

(あんどん)をつけたまま、いびきをかいてているではありませんか。

(あっ! やっぱりそうだったのか。この、よくもおらをだましたな!)

息子むすこは刀を持っもっ母親ははおや部屋へや飛び込むとびこむと、ている古ネコの胸へ刀を突き刺しつきさしました。

「ギャオオオーーーッ!!」

古ネコは鋭い悲鳴ひめいをあげて、そのまま動かうごかなくなりました。

「よし、化けばけネコをやっつけたぞ! ・・・あっ!」

ところがよくてみたら、そこにいたのは古ネコではなく、胸から血を流しながし死んしん母親ははおやだったのです。

「し、しまった」

いくらひどい母親ははおやでも、殺すころすなんてとんでもありません。

「どっ、どうしよう?」

息子むすこ仕方しかたなく、近所きんじょの人たちを呼んよんで訳を話しはなしました。

「親を殺すころすとは、おら、もう世の中よのなか顔向けかおむけ出来できない。

役人やくにん捕まるつかまる前に腹を切っきっ死ぬしぬから、後の事をよろしく頼みたのみます」

すると、近所きんじょの人たちの一人が言いいいました。

待てまて早まっはやまってはいかん。

ネコは一度人間にんげん化けるばけると、死んしんでもなかなか正体しょーたい現さあらわさないと言ういうぞ。

死ぬしぬのはそれを確かめたしかめてからでも、遅くはないはずだ」

「・・・わかった。朝まで待つまつとしよう」

そこで息子むすこ近所きんじょの人たちは、母親ははおや死骸しがい(しがい)が古ネコの正体しょーたい現すあらわすのを待ちまちました。

やがて東の空が白みしらみはじめた頃、母親ははおや死骸しがいの顔が、だんだんとネコの顔に変わりかわりはじめました。

「おう、ネコの顔になったぞ!」

そして顔ばかりか、着物きものからている手足てあしもネコの手足てあし変わりかわりました。

やはり古ネコが、母親ははおや化けばけていたのです。

「よかった。よかった」

近所きんじょの人たちも息子むすこもホッとして、思わず手を握りしめにぎりしめました。

「それにしても、この化けばけネコをどうしてくれよう?!」

死んしんだ古ネコは、大切たいせつ母親ははおや殺しころした憎いかたきです。

八つ裂きやつざきにしても気がおさまりませんが、下手へたな事をすれば、どんなたたりをされるかわかりません。

そこで古ネコの死骸しがいを寺に運んはこんで、手厚くほうむる事にしました。

その後そのご息子むすこ近所きんじょの人たちが母親ははおやていた部屋へや床下ゆかした調べるしらべると、古ネコに食わくわれた人間にんげんの骨がたくさんてきました。

息子むすこはその骨も寺へ持っもって行き、あらためて母親ははおや弔いとむらい(ともらい→お葬式そーしき)をしたそうです。

おしまい


取る
人間
噛み殺す
化ける
言う
母親
息子
親孝行
食べ物
入る
自分
食べる
大事
はたく
飲む
医者
呼ぶ
寝る
びょう
想い
通じる
治る
元通り
元気
戻る
喜ぶ
つかの間
性格
変わる
気に入る
狂う
怒る
生き物
捕まえる
つける
あぶる
残酷
ざんこく
おっかさん
にらむ
近所
怖がる
近づく
考え込む
思う
本物
考える
思い当たる
たくさん
寝込む
不気味
見つめる
以前
大好き
助かる
食う
殺す
様子
見る
酔う
眠り込む
一滴
飲める
怪しむ
部屋
のぞく
着物
着る
行灯
いびき
だます
持つ
飛び込む
突き刺す
悲鳴
あげる
動く
化け
やっつける
流す
死ぬ
しまう
とんでも
仕方
話す
世の中
顔向け
出来る
役人
捕まる
切る
頼む
待てる
早まる
正体
現す
確かめる
わかる
待つ
死骸
白む
出る
手足
握りしめる
くれる
大切
八つ裂き
おさまる
下手
たたり
運ぶ
ほうむる
その後
床下
調べる
弔い
もらう
葬式

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

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「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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