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舞扇

舞扇

日本の昔話

むかしむかし、京の都に有名ゆーめい踊りおどり師匠ししょー(ししょう→せんせい)がいて、大勢たいせい弟子でし(でし)をかかえていました。

その弟子でしの中に、けいこ熱心ねっしん雪江ゆきえ(ゆきえ)という娘がいて、一本の舞扇まいおーぎ(まいおうぎ→日本にっぽん舞踊ぶよー使うつかう扇で。普通ふつーの扇より大きく、流儀りゅーぎの紋などをえがいたもの)をとても大切たいせつにしていました。

その舞扇まいおーぎ雪江ゆきえが父にせがんで名高い絵師えし(えし→絵描きえかき)に描いえがいてもらった物で、今を盛りもり咲いさいている桜の花が描かえがかれた、それは見事みごとな扇でした。

さて、ある日の事。

どうした事か、雪江ゆきえはこの扇をけいこ場に忘れわすれ帰っかえったのです。

それに気づいきずい師匠ししょーは、

大切たいせつな扇を忘れるわすれると珍しい。まあ、明日あしたた時に渡しわたしてやろう」

と、自分じぶんの机の上に置いおいておきました。

ところが次の日、雪江ゆきえは珍しくけいこにはませんでした。

そして次の日も、また次の日も、雪江ゆきえはけいこにないのです。

雪江ゆきえに、何かあったのだろうか?」

師匠ししょーはふと、雪江ゆきえの扇を広げひろげました。

そこには扇面せんめん(せんめん→扇を開いひらいた面)いっぱいに、明るく花が咲いさいています。

そこへちょうど、友だちともだち占い師うらないし(うらないし)が尋ねたずねてきました。

「やあ、いらっしゃい。ほら、これをご覧ごらんなされ。弟子でし忘れ物わすれものだが、優雅ゆーが(ゆうが)な物じゃろう」

師匠ししょー広げひろげたままの扇を占い師うらないし渡すわたすと、

「ほほう、これは美しい。・・・?」

と、占い師うらないしはしばらくして、ポツリと言いいいました。

「お気の毒きのどくですが、この花は今日きょー中に散りちりますな」

「えっ?」

やがて占い師うらないし帰っかえった後、師匠ししょーは再びその扇をながめました。

(今日きょー中に散るちるとは、いったいどの様な意味だ?)

占い師うらないし言葉ことばが気になった師匠ししょーは、それからもじっと扇をながめていました。

すると妻がやって来やってきて、

「あの、お食事でございます」

と、声をかけました。

「ああ、もうそんな時間じかんか」

妻の声に我に返っかえっ師匠ししょーは、開いひらいたままの扇を持っもっ立ちあがりたちあがりました。

するとハラハラと、開いひらいた扇から白い花びらはなびら散りちりました。

散っちっ花びらはなびらは風もないのにチョウが舞うまうと、空高く消えきえてしまいました。

「何とも、不思議ふしぎな事よ」

そして花びらはなびら散っちった扇を師匠ししょーは、さらにびっくりです。

「おお、これは!」

何とそこにあるのはただの白い舞扇まいおーぎで、あれほど見事みごと描かえがかれた桜の花がすっかり消えきえていたのです。

「これは、もしや雪江ゆきえの身に!」

師匠ししょー

カゴ

を用意すると、雪江ゆきえの家に急がいそがせました。

そしてカゴが玄関げんかんにつくと、ちょうど母親ははおや現れあらわれ言いいいました。

先生せんせい。娘は、娘はほんの先ほど、息をひきとったところでございます。どうぞこちらへ」

案内された奥の間には、息をひきとった雪江ゆきえ静かしずかにねむっていました。

そしてその周りまわりには、どこから入っはいってきたのかあの桜の花びらはなびらがしきつめるように落ちおちていたという事です。

おしまい


有名
踊り
師匠
せんせい
大勢
弟子
かかえる
熱心
雪江
ゆきえ
舞扇
いおう
日本
舞踊
使う
普通
流儀
えがく
大切
せがむ
絵師
絵描き
描く
盛り
咲く
見事
忘れる
帰る
気づく
明日
来る
渡す
自分
置く
広げる
見る
扇面
開く
友だち
占い師
うらなう
尋ねる
いらっしゃい
ご覧
忘れ物
優雅
言う
気の毒
今日
散る
ながめる
言葉
やって来る
かける
時間
返る
持つ
立ちあがる
花びら
チョウ
舞う
消える
不思議
急ぐ
玄関
母親
現れる
先生
ひきとる
こちら
静か
ねむる
周り
入る
しきつめる
落ちる

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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