muksi - story thumb

--:-- / --:--
新説 牡丹灯籠(ぼたんどうろう)

新説 牡丹灯籠(ぼたんどうろう)

百物語

京の都の五条ごじょー京極きょーごく(ごじょうきょうごく)に、荻原おぎわら新之丞(おぎわらしんのじょう)という男が住んすんでいました。

ある夜ふけよふけ道行くみちゆく人もいない道で新之丞が月を見上げみあげていると、二十才くらいの美しい女の人が通りかかりとーりかかりました。

女の人は十才あまりの少女しょーじょ連れつれており、その娘に牡丹ぼたん(ぼたん)の花の灯籠(とうろう→あかりをともす器具きぐ)を持たもたせています。

アニメーション

(ああ、天の乙女おとめ(おとめ)が、地に降りおりて来たのだろうか)

女の人に一目で心を奪わうばわれた新之丞は、女の人に言いいいました。

「たとえ月夜つきよでも、二人で夜道よみち危険きけんです。よろしければ、我が家わがやで一晩を過ごさすごされては」

新之丞はそう言っいって、二人を家へ連れつれ戻りもどりました。

新之丞が歌をよむと女の人もすぐに見事みごとな歌で返すかえすので、新之丞はうれしくてたまりません。

(美しいだけでなく、教養きょーよーもあるとは実に素晴らしい)

アニメーション

二人はすっかり親しくなって、時がたつのも忘れるわすれるうちに東の空が明るくなりかけました。

人目ひとめもありますので、今日きょーはこれで」

女の人はいそいそと帰っかえって行きましたが、それからというもの、女の人は日が暮れるくれると必ず新之丞をたずねてきました。

牡丹ぼたんの花の灯籠を、いつも少女しょーじょ持たもたせて。

アニメーション

それから二十日あまりが過ぎすぎたある日、町へた新之丞は美しい牡丹ぼたんのかんざしを見つけみつけました。

(これを、彼女かのじょの髪に挿しさしてあげよう)

それを、たまたま通りとーりかかった隣の家のご隠居が見つけみつけました。

(はて? 新之丞殿は独り身ひとりみのはず。誰への土産みやげだろうか?)

その夜、気になったご隠居は新之丞の屋敷やしき行くいくと、壁のすきまから新之丞の家の中をのぞきました。

アニメーション

新之丞が美しい女の人と楽しそうに話しはなしをしていますが、不思議ふしぎな事に女の人にも付き人つきびと少女しょーじょにも影がありません。

それどころか女の人の体が、ときおりガイコツの姿へと変わっかわっていくのです。

「これは! 新之丞殿は、物の怪もののけ見込まみこまれたのか!」

ご隠居はすぐに家へ戻るもどると、使用人しよーにんたちに新之丞の家にいる女の人を見張るみはる様に言いつけいーつけました。

翌朝よくあさ、女の人を見張っみはっていた使用人しよーにんから万寿寺まんじゅーじ(まんじゅじ)の境内けいだい(けいだい)で女の人を見失っみうしなったと聞いきいたご隠居は、万寿寺まんじゅーじ境内けいだいを北に進んすすんだところで死者ししゃのなきがらをおさめた、たまや(→たましいをまつるお堂)を見つけみつけました。

そこにはおとぎぼうこ(→頭身を白い絹で小児しょーにの形に作りつくり、黒い糸を髪として、左右に分けわけ前方ぜんぽー垂らしたらし人形にんぎょー)とよばれる子どもこども人形にんぎょーと、あの牡丹ぼたんの花の灯籠が置かおかれています。

「この灯籠は昨日きのーの・・・。間違いまちがいない、この墓の主が昨日きのーの女で、このおとぎぼうこが付き人つきびとの娘に化けばけていたのだな」

おじいさんはすぐに東寺とーじ(とうじ)へ行くいくと、強い法力ほーりき持つもつと噂される若い修験しゅげん者(しゅげんじゃ人)に、たまやまでてもらいました。

「お坊さま、ここです」

「なるほど、確かたしかに、たまやから強い霊力れいりょく感じかんじます。しかし、このおとぎぼうこからは・・・」

修験しゅげん者は、おとぎぼうこから別の力を感じかんじました。

おとぎぼうこには別の魂が宿っやどっていて、たまやの霊を守っまもっている様に感じかんじました。

(それにしてもこの魂、どこかで出会っであった気が・・・)

「お坊さま、このおとぎぼうこが、新之丞殿に悪さをしているんですな?」

おじいさんと一緒に使用人しよーにんの一人が、おとぎぼうこを握りつぶそにぎりつぶそうとしました。

「おやめなさい!」

修験しゅげん者は、使用人しよーにんからおとぎぼうこを取り上げるとりあげる言いいいました。

「このおとぎぼうこには魂が宿っやどっていますが、それは決して悪い物ではありません。

むしろ、たまやの霊が悪霊あくりょーになるのを守っまもっています。

たまやの霊は、自分じぶん死んしんでいる事すら気づいきずいていないでしょう。

このおとぎぼうこがいなければ、たまやの霊は悪霊あくりょーになっていたかもしれません。

だが、たまやの霊に悪意あくいがないにしても、このままでは新之丞殿はたまやの霊に生気せいき奪わうばわれて死ぬしぬことになります。

もう決して、たまやの霊を新之丞殿に会わあわせてはなりません」

「わかりました。すぐにも新之丞殿に訳を話しはなしましょう」

ご隠居は新之丞のところへ行くいくと、今までの事を全てすべて話しはなしました。

「そんな、あの人がわたしを取り殺そとりころそうとしているなんて」

残念ざんねんながら、この目で確かたしかました。

新之丞殿の家は、たまやの霊に知らしられています。

しばらくは、わたしの別宅べったくに身を隠しかくして下さい」

「しかし、あの人に限っかぎって!」

「新之丞殿。ここはわたしを信じしんじて、わたしとお坊さまにおまかせください」

ご隠居の別宅べったく連れつれて行かれる新之丞に、修験しゅげん者が言いいいました。

「家の入口いりぐち全てすべてに、魔除けのけの札を貼っはっておきます。

この家にいる限り、たまやの霊に見つかるみつかることはないでしょう。

それほど時間じかんはかかりません。

しばらくの辛抱です」

「しかし・・・」

その夜、ご隠居の別宅べったく閉じ込めとじこめられた新之丞は、部屋へや差し込むさしこむ月光げっこー見つめみつめながら思いおもいました。

(もうそろそろ、あの人がやってくる時刻じこくだ)

(会いあいたい。

たとえあの人が、人でなかろうと。

たとえあの人に、取り殺さとりころされる事になろうとも。

あの人に、会いあいたい)

そこへ、ご隠居の使用人しよーにんが食事を運んはこんできました。

「新之丞さま、お食事を用意しました」

「食事などいらん! それよりわたしは、いつまでここにいなければならないのだ!?」

「はあ。旦那だんなさまとお坊さまのお話では、今夜こんや中にも霊を成仏させると」

「成仏!? あの人を、この世このよから消すけすというのか!!  ・・・すまない、大声おーごえ出しだして」

「いえ、気にしていません」

「そうか、ありがとう。

ところで、一つひとつ頼またのまれてはくれないか。

この酒を、外で見張っみはっている者たちにもふるまってくれ」

新之丞は見張りみはりの男たちが酒を飲んのんでいるうちに家を抜け出すぬけだすと、

自分じぶんの家へとかけ出しました。

「すぐに行くいく待っまっていてくれ!」

新之丞が自分じぶんの家に飛び込むとびこむと、ガイコツの姿になった女の人が新之丞の帰りかえり待っまっていました。

ガイコツになった女の人が、涙を流しながしながら新之丞に言いいいます。

東寺とーじ修験しゅげん者の法力ほーりきで、人の姿を保てたもてなくなりました。

間もなくわたしたちは、この世このよから姿を消さけさなくてはなりません。

この世このよ最後さいごに、あなたさまに会えあえて本当によかった」

女の人とおとぎぼうこの姿が、ゆっくりと霧のように消えきえていきます。

駄目だめだ! 行かいかないでくれ!」

てはいけません! わたしたちに近づけちかずけば、あなたさまのお命が!」

構わかまわない! あなたのいない世に生きいきても、わたしには何の意味もない」

新之丞が女の人を抱きしめるだきしめると、二人の体が明るく光り輝きひかりかがやきました。

ガイコツだった女の人の姿が元に戻りもどり

二人の光りひかり受けうけたおとぎぼうこも、少女しょーじょの姿へと戻っもどっていきます。

(・・・あっ)

(・・・よかった)

人の姿に戻っもどっ少女しょーじょが、抱き合うだきあう二人ににっこり微笑みほほえみます。

新之丞は女の人を抱きしめだきしめながら、自分じぶん想いおもい伝えつたえました。

「もう決して、あなたを離さはなさない。

あなたがこの世このよ去るさるのなら、わたしも一緒に行こいこう。

あなたを、心から愛しあいしている」

「新之丞さま」

翌朝よくあさ、家を抜け出しぬけだした新之丞が、女の人のたまやで死んしんでいるのが見つかりみつかりました。

新之丞の口元くちもとには、満足そうな笑みえみ浮かんうかんでいます。

「新之丞さま、申し訳もーしわけありません! あの時、無理むりにでも新之丞さまをお引き止めひきとめするべきでした!」

泣きじゃくるなきじゃくる使用人しよーにんに、ご隠居が言いいいました。

自分じぶん責めるせめる事はない。新之丞殿は、満足してあの世あのよ行かいかれたのじゃ」

その後そのご、ご隠居と修験しゅげん者は、この場所ばしょに新之丞とおとぎぼうこのお墓を作りつくり三つみっつのお墓を並べならべてやりました。

修験しゅげん者は、三人のお墓に手を合わせあわせ言いいいました。

「新之丞殿、どうかお幸せおしあわせに。

あの人を・・・。おとぎぼうこの娘を、よろしく頼みたのみます。

・・・では、またいつか会いあいましょう」

新説しんせつ 牡丹ぼたん灯籠  第1部 完

牡丹ぼたん灯籠のヒロイン

生まれ変わっうまれかわった姿 (誕生日占いうらない 8月はちがつ25日より)

牡丹ぼたん灯籠の侍女じじょちゃん

生まれ変わっうまれかわった姿 (誕生日占いうらない 9月くがつ17日より)

新説しんせつ 牡丹ぼたん灯籠 第2部、第3部を企画中。

気長きながにお待ち下さい。

第2部のイメージ

修験しゅげん者と少女しょーじょ過去かこ、そしておとぎぼうこにまつわるお話しはなし

第3部のイメージ

舞台ぶたい江戸えど時代じだいから大正たいしょー時代じだい

輪廻転生�@

輪廻転生�A

輪廻転生�B

大人気だいにんき。おまけの侍女じじょちゃん

手でハート

しゃがむ

考え事かんがえごと

センチ

眠い

お祈り

転ぶころぶ

おすまし

おしゃま

おねだり

おねだり(ぬりえ)

※ クリックすると、印刷用の大きな画像がぞーが表示されます。

あげるね

再会

木漏れ日こもれび

チュッ〜

白無垢しろむく

新説しんせつ牡丹ぼたん灯籠 第1部 イラストラフ集

牡丹ぼたんの花咲くさく月夜つきよ

出会いであい�@

出会いであい�A

出会いであい�B

予感�@

予感�@ 別髪バージョン

予感�A

予感�B

隣人りんじんの心配�@

隣人りんじんの心配�@ 本編ほんぺん使用の美老人ろーじんタイプ

隣人りんじんの心配�A

悲しい本当ほんとーの姿�@

悲しい本当ほんとーの姿�A

悲しい本当ほんとーの姿�B

悲しい本当ほんとーの姿�C

悲しい本当ほんとーの姿�D

悲しい本当ほんとーの姿�E

悲しい本当ほんとーの姿�F

悲しい本当ほんとーの姿�G

悲しい本当ほんとーの姿�H

人形にんぎょー�@

人形にんぎょー�A

人形にんぎょーラフ�B

人形にんぎょー�C

人形にんぎょー�D

人形にんぎょー�E

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�@

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�A

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�B

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�C

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�D

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�E

消え入りきえいりそうな三日月みかずき�F

終焉しゅーえん�@

終焉しゅーえん�A

終焉しゅーえん�B

終焉しゅーえん�C

終焉しゅーえん�D

終焉しゅーえん�E

終焉しゅーえん�F

終焉しゅーえん�G

終焉しゅーえん�H

終焉しゅーえん�I

終焉しゅーえん�J

終焉しゅーえん�K

終焉しゅーえん�L

終焉しゅーえん�M

終焉しゅーえん�N

輪廻転生�@

輪廻転生�A

輪廻転生�B

おまけの侍女じじょちゃん チュッ〜 ラフ

おまけの侍女じじょちゃん 白無垢しろむく ラフ


五条
京極
荻原
住む
夜ふけ
道行く
見上げる
通りかかる
少女
連れる
牡丹
あかり
ともす
器具
持つ
乙女
おとめ
降りる
奪う
言う
月夜
夜道
危険
我が家
過ごす
戻る
見事
返す
たまる
教養
忘れる
人目
今日
帰る
暮れる
たずねる
過ぎる
出る
見つける
彼女
挿す
通る
独り身
土産
屋敷
行く
のぞく
話す
不思議
付き人
ガイコツ
変わる
物の怪
見込む
使用人
見張る
言いつける
翌朝
万寿寺
境内
見失う
聞く
進む
死者
おさめる
しいる
まつる
はおと
ぎぼうこ
小児
作る
分ける
前方
垂らす
人形
子ども
置く
昨日
間違い
ぎぼうこが
化ける
おじいさん
東寺
法力
修験
ゅげんじゃ
来る
確か
霊力
感じる
ぎぼうこから
ぎぼうこには
宿る
守る
出会う
ぎぼうこを
握りつぶす
やめる
取り上げる
悪霊
自分
死ぬ
気づく
しれる
悪意
生気
会う
わかる
全て
取り殺す
残念
見る
知る
別宅
隠す
限る
信じる
まかせる
入口
除ける
貼る
見つかる
時間
かかる
閉じ込める
部屋
差し込む
月光
見つめる
思う
やってくる
時刻
運ぶ
旦那
今夜
この世
消す
大声
出す
いえる
一つ
頼む
ふるまう
見張り
飲む
抜け出す
かける
待つ
飛び込む
帰り
流す
保てる
最後
あなた
会える
ぎぼうこの
消える
駄目
近づく
構う
生きる
抱きしめる
光り輝く
光る
受ける
ぎぼうこも
抱き合う
微笑む
想い
伝える
離す
去る
愛す
口元
笑み
浮かぶ
申し訳
無理
引き止める
泣きじゃくる
責める
あの世
その後
場所
ぎぼうこのお
三つ
並べる
合わせる
お幸せ
いつか
新説
ヒロイン
生まれ変わる
占い
8月
侍女
9月
気長
過去
舞台
江戸
時代
大正
大人気
ハート
しゃがむ
考え事
センチ
転ぶ
おしゃま
ねだる
クリック
画像
あげる
木漏れ日
チュッ
白無垢
イラストラフ
咲く
出会い
バージョン
隣人
本編
老人
タイプ
本当
消え入る
三日月
終焉

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

muksi

MUKSI







Check Our Apps

download app on apple storedownload app on google play
© 2020 CopyrightiMuksiAll Rights Reserved.