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塀の上の大入道

塀の上の大入道

百物語

むかしむかし、一人の侍が傘(かさ)をさして、雨の夜道よみち我が家わがやへと急いいそいでいました。

「いけねえ、いけねえ。すっかり遅くなっちまった」

この侍が塀(へい)の続くつずく暗い道を歩いあるいていると、傘が突然動かうごかなくなってしまいました。

「はて? 塀越しの木の枝にでも、引っかかっひっかかったかな?」

侍が傘の上を見上げみあげてみると、何と塀の向こうむこーから突き出つきでた大きな手が、傘のてっぺんを掴んつかんでいるのです。

(何だあの手は、お化けおばけか?)

侍は傘を置いおい逃げよにげようかと思いおもいましたが、当時とーじの傘は貴重きちょー品なので、そう簡単かんたん手放すてばなすわけにはいきません。

そこで侍は渾身こんしん(こんしん)の力を込めこめて、傘をぐいっと引き抜くひきぬくと、

「なむさん!」

と、叫んさけんで、自分じぶんの家に逃げ帰りにげかえりました。

無事ぶじに家へ帰っかえった侍が傘を調べしらべてみると、大事だいじな傘の頭がもぎ取らもぎとられています。

「えーい、くやしい!

お化けおばけごときに傘を壊さこわされては、侍仲間なかま笑いものわらいものだ!

よし、出かけでかけなおして、化け物ばけもの正体しょーたい暴いあばいてやろう」

侍は大小だいしょーの刀を腰にさして、さっきの塀のところへ戻っもどって行きました。

「やい、お化けおばけめ! 傘を壊さこわされた借りかり返しかえしたぞ! 退治してやるからて来い!」

すると再び塀の上から大きな腕が伸びのびてきて、侍の腰から大小だいしょーの刀をさっと奪い取るうばいとると、侍の背中せなかをすごい力で突き飛ばしつきとばして闇の中に消えきえました。

「むっ、無念むねん! 武士ぶしの魂である、大切たいせつな刀まで奪わうばわれるとは・・・」

翌朝よくあさ、塀の上の腕に奪わうばわれた侍の刀が、町の四つ角よつかどの水桶の上に十文字じゅーもんじ置いおいてあるとの知らせしらせがありました。

侍が駆けつけるかけつけると水桶の上には侍の刀ともぎ取らもぎとられた傘の頭が置いおいてあり、その桶の下を調べるしらべる古びふるび石仏いしぼとけてきました。

それをて、侍はうなづきました。

「そうか。

誰かのいたずらでこの様なところへ捨てすてられた石仏いしぼとけが、それを知らせよしらせようと化けばけたのだな。

よしよし、わしが元の寺を探し出しさがしだして、戻しもどしてやろう」

侍は石仏いしぼとけ置かおかれていたお寺おてら探し出すさがしだすと、その石仏いしぼとけお寺おてら運んはこん和尚おしょーさんにお経をあげてもらいました。

その後そのご、塀の上から腕がて来る事はなかったそうです。

おしまい


夜道
我が家
急ぐ
いける
続く
歩く
動く
引っかかる
見上げる
向こう
突き出る
てっぺん
掴む
お化け
置く
逃げる
思う
当時
貴重
簡単
手放す
渾身
こんしん
込める
引き抜く
叫ぶ
自分
逃げ帰る
無事
帰る
調べる
大事
もぎ取る
壊す
仲間
笑いもの
出かける
化け物
正体
暴く
大小
戻る
借り
返す
来る
出る
伸びる
奪い取る
背中
突き飛ばす
消える
無念
武士
大切
奪う
翌朝
四つ角
十文字
知らせ
駆けつける
古びる
石仏
見る
うなづく
捨てる
知らせる
化ける
探し出す
戻す
お寺
運ぶ
和尚
あげる
その後

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「今日は何の日?」

2021624

元:地球くん

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