muksi - story thumb

--:-- / --:--

むかしむかし、イタリアのある町に、三人の娘がいる洗濯屋のおかみさんがいました。

おかみさんと娘の四人は一生懸命いっしょーけんめい働きはたらきますが、暮らしくらしは少しも楽になりません。

ある日、一番いちばん上の娘がこんな事を言いいいました。

「いっそのこと、

悪魔あくま

(あくま)のところでもいいから、奉公(ほうこう→住み込みすみこみではたらくこと)にいこうかしら」

それを聞いきいて、お母さんおかーさんが娘をしかりつけました。

「まあ、なんて事を言ういうんだい! そんな事をしたらどんな不幸ふこーな目に会うあうか、わからないのかい!」

それからしばらくしたある日、黒い服をて銀の鼻をした上品じょーひん紳士しんしがやってきて、ていねいな言葉ことばつきで言いいいました。

「おかみさん。おたくには娘さんが、三人もいますね。そのうちの一人を、わたしの家に奉公にお出しだしになりませんか?」

お母さんおかーさんは、その人が銀の鼻をしているのが気に入りきにいりませんでした。

そこで姉娘に、こう言いいいました。

世の中よのなかに、銀の鼻をしている人なんていないよ。あれはきっと、悪魔あくまにちがいない。奉公に行っいったら、きっと後悔することになるよ」

でも姉娘は、

悪魔あくまなんて、馬鹿馬鹿しい。あたし、奉公に行くいくわ」

と、銀の鼻の紳士しんしの家に、奉公に行くいく事にしたのです。

二人はいくつもの山をこえ、長い道のりみちのり歩いあるいていきました。

するとはるか遠くとーくの方に、火事かじのようにボーッと明るくなっているところが見えみえました。

「あれは、なんですか?」

姉娘は、少し怖くなって聞きききました。

「わたしの家だよ」

「あそこが?」

「もう少しだ。さあ行こいこう」

「・・・・・・」

姉娘は、しぶしぶとついていきました。

やがて二人は、銀の鼻の大きな宮殿きゅーでん(きゅうでん)につきました。

銀の鼻は宮殿きゅーでん部屋へやを次々と案内して、最後さいご部屋へやの前へ来るくると姉娘にカギを渡しわたし言いいいました。

「ほかの部屋へやはいつでも入っはいっていいが、この部屋へやだけは、どんな事があっても開けあけてはいけないよ」

その晩、娘が部屋へや眠っねむっていると銀の鼻はそっと入っはいってきて、娘の髪にバラの花をさしてて行きました。

あくる日、銀の鼻は用事よーじ出かけでかけていきました。

一人になった姉娘は、あの部屋へや開けあけてみたくてたまりません。

そしてとうとう秘密ひみつ部屋へやのとびらに、かぎをさしこんでしまいました。

とびらを開けるあける部屋へやの中はまっ赤な炎がふき出していて、中では焼けやけただれた人が大勢たいせい苦しんくるしんでいました。

銀の鼻は、やっぱり悪魔あくまだったのです。

姉娘はすぐにとびらを閉めしめましたが、その時に髪のバラの花がこげてしまったのです。

夜になって帰っかえってきた銀の鼻は、姉娘のバラの花がこげているのに気がつくきがつくと、

「よくも、いいつけにそむいたな!」

と、叫んさけんで、娘を地獄じごく部屋へや投げ込んなげこんでしまいました。

あくる日、銀の鼻はまた、洗濯屋のおかみさんのところへ行きいきました。

「娘さんは、大変たいへん幸せしあわせ働いはたらいています。でも、まだ人手ひとで足りたりません。二番目の娘さんもよこしてください」

それで二番目の娘も、奉公することになりました。

宮殿きゅーでんにつくと銀の鼻は部屋へや順番じゅんばんに案内し、最後さいご部屋へやの前でカギを渡しわたし言いいいました。

「ほかの部屋へやはいつでも入っはいっていいが、この部屋へやだけは、どんな事があっても開けあけてはいけないよ」

その晩、二番目の娘が眠っねむっていると銀の鼻はそっと入っはいってきて、髪の毛かみのけにカーネーションの花をさしました。

あくる日、銀の鼻は用事よーじ出かけでかけました。

二番目の娘は、あの部屋へや開けあけてみたくてたまりません。

そして秘密ひみつ部屋へや開けあけて、炎の中にいるお姉さんねーさん見つけみつけました。

「妹よ。たすけて、たすけて」

姉さんねーさん叫び声さけびごえ聞くきくと、妹はあわててとびらを閉めしめ逃げ出しにげだしました。

やがて帰っかえってきた銀の鼻は、二番目の娘のカーネーションがこげているのに気がつききがつきました。

「よくも、いいつけにそむいたな!」

悪魔あくまは二番目の娘をつかまえると、地獄じごく部屋へやの中へ投げ込んなげこんでしまいました。

あくる日、銀の鼻はまた洗濯屋に行っいって、一番いちばんりこうな末娘のルチーアを連れつれて行きました。

銀の鼻は二人のお姉さんねーさんと同じように宮殿きゅーでん部屋へやを案内してから、秘密ひみつ部屋へやのカギを渡しわたしました。

そしてルチーアが眠っねむっているとき、今度こんどは髪にジャスミンの花をさしました。

あくる朝、ルチーアは髪のジャスミンに気づききずきました。

「まあ、きれいな花。でも、これではじきにしぼんじゃうから、コップにさしておきましょう」

銀の鼻は、用事よーじ出かけでかけました。

するとルチーアも、あの部屋へや開けあけてみたくてたまりません。

ルチーアが秘密ひみつ部屋へやのとびらを開けるあけると、

「ルチーア。たすけて、たすけて」

と、炎の部屋へやから、お姉さんねーさんたちの悲しい声が聞こえきこえました。

ルチーアは自分じぶん部屋へや逃げ帰るにげかえると、ジャスミンの花を髪にさして、お姉さんねーさんたちを助けるたすける方法ほーほー考えかんがえました。

やがて銀の鼻が帰っかえってきましたが、ルチーアのジャスミンの花はきれいなままです。

銀の鼻は、にっこり笑っわらっ言いいいました。

お前おまえは、いいつけをよく守るまもるよい子だ。これからもずっと、ここにいてくれるね」

「はい。でも、お母さんおかーさんがどうしているか気がかりきがかりです」

「じゃあ、わたしがてくるよ」

銀の鼻が出かけるでかけると、ルチーアは一番いちばん上のお姉さんねーさん地獄じごく部屋へやから助け出したすけだして袋の中に入れいれました。

やがて銀の鼻が帰っかえってくると、ルチーアは言いいいました。

「ご主人しゅじんさま。これは洗濯物です。家へ届けとどけてください。重いですが、道の途中とちゅー開けあけてはいけません。わたしはここで、見張っみはっていますから」

「いいとも。開けあけやしないよ」

銀の鼻は、また出かけでかけました。

袋が重いので、銀の鼻は道の途中とちゅーで中を見よみようとしました。

すると、

てるわよ。てるわよ」

と、声が聞こえきこえて来ました。

ルチーアはお姉さんねーさんに、袋が開けあけられそうになったらそう言ういうようにいっておいたのです。

銀の鼻はしかたなく、重い袋をかついでお母さんおかーさんのところへ届けとどけました。

そして次の日は、二番目のお姉さんねーさんも家へ帰るかえる事が出来できました。

さて明日あしたは、ルチーアが逃げるにげるばんです。

ルチーアはシーツで、自分じぶんそっくりの人形にんぎょーをつくりました。

「ご主人しゅじんさま。わたしは体のぐあいが悪くて、明日あしたているかもしれませんが、ベッドのわきの洗濯物をまた届けとどけてください」

そう言っいってルチーアは人形にんぎょーをベッドに寝かせねかせて、自分じぶんは袋の中に入りはいりました。

次の日、銀の鼻は袋をかついで出かけでかけましたが、重くてたまりません。

そこで袋をおろして、中を見よみようとしました。

すると中から、

てるわよ」

と、声が聞こえきこえてきました。

「あの子には、かなわんな。まるで、そばでているようだ」

銀の鼻はしかたなく、そのままかついでお母さんおかーさんのところへ届けとどけました。

「では、洗濯物はここへおくよ。ルチーアが病気なので、わたしはこれで帰るかえるよ」

銀の鼻はそう言ういうと、急いいそい帰っかえっていきました。

こうして三人は、無事ぶじ悪魔あくまの家から逃げにげてきたのです。

ルチーアは悪魔あくまの家からお金おかねをたくさん持っもってきていたので、三人は幸せしあわせ暮らすくらすことが出来できました。

また、家の戸口とぐち魔よけまよけ十字架じゅーじか立てたてたので、悪魔あくまはもうやって来やってきませんでした。

おしまい


イタリア
かみさん
一生懸命
働く
暮らし
一番
言う
悪魔
あくま
住み込み
はたらく
聞く
お母さん
しかりつける
不幸
会う
わかる
着る
上品
紳士
やってくる
ていねい
言葉
おかみ
出し
気に入る
世の中
ちがい
行く
あたし
いくつ
こえる
道のり
歩く
遠く
火事
見える
あそこ
とつぐ
宮殿
きゅう
部屋
最後
来る
渡す
入る
開ける
眠る
出る
用事
出かける
たまる
秘密
さしこむ
焼ける
だれる
大勢
苦しむ
閉める
こげる
帰る
気がつく
そむく
叫ぶ
地獄
投げ込む
大変
幸せ
人手
足る
よこす
順番
髪の毛
姉さん
見つける
たすける
叫び声
あわてる
逃げ出す
つかまえる
ルチーア
連れる
今度
ジャスミン
気づく
きれい
しぼむ
コップ
聞こえる
自分
逃げ帰る
助ける
方法
考える
笑う
お前
守る
気がかり
見る
助け出す
入れる
主人
届ける
途中
見張る
しかた
かつぐ
出来る
明日
逃げる
シーツ
人形
つくる
ぐあいが
寝る
しれる
ベッド
寝かせる
おろす
かなう
急ぐ
無事
お金
たくさん
持つ
暮らす
戸口
魔よけ
十字架
立てる
やって来る

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021624

元:地球くん

muksi

MUKSI







Check Our Apps

download app on apple storedownload app on google play
© 2020 CopyrightiMuksiAll Rights Reserved.