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愛の竪琴

愛の竪琴

世界の昔話

むかしむかし、ギリシアのオリンポスという山には、多くおーく神さまかみさまたちが住んすんでいました。

その神さまかみさまたちの中にオルフェウスと名前なまえの、竪琴たてごと(たてごと)の上手じょーずな若い神さまかみさまがいました。

オルフェウスの弾くひく竪琴たてごと音色ねいろは素晴らしく、神さまかみさまだけでなく動物どーぶつ植物しょくぶつや岩までもが、うっとりと聞きききいるほどでした。

そしてそのオルフェウスには、エウリュディケという可愛い奥さんおくさんがいました。

ある日の事、二人は野原のはらへ花をつみに出かけでかけました。

「エウリュディケ、こっちにてごらん。きれいな花が咲いさいているよ」

「まあ、どこにあるの?」

エウリュディケがオルフェウスの所へ駆け出そかけだそうとしたとたん、エウリュディケは足元あしもとにいた毒ヘビをうっかりふみつけてしまったのです。

怒っおこった毒ヘビは、エウリュディケの細い足首あしくび噛みつきかみつきました。

「きゃあ!」

エウリュディケはばったりと倒れたおれて、そのまま動かうごかなくなりました。

「エウリュディケ!」

オルフェウスが駆け寄っかけよっ抱き上げだきあげた時には、エウリュディケはもう死んしんでいたのです。

「ああ、何という事だ。エウリュディケ、エウリュディケ、エウリュディケ!」

悲しみかなしみにくれたオルフェウスは、来る日も来るくる日も竪琴たてごと弾きはじきならして悲しみかなしみの歌を歌いうたい続けました。

しかしいくら歌っうたっても、愛するあいするエウリュディケを忘れるわすれる事は出来できません。

それどころか、歌ううたうたびに悲しみかなしみは深くなるばかりです。

そんなある日、オルフェウスは決心しました。

「よし、死の国に行っいってみよう。エウリュディケに会えるあえるのなら、わたしはどんな恐ろしい目に会っあってもいい」

神さまかみさまたちの中で死んしんだ者をよみがえらす事が出来るできるのは、死の国のハーデス王だけです。

オルフェウスは死の国へ通じるつーじる暗い道を何日も進みすすみ、やがて死の国の門へとたどり着きたどりつきました。

死の国の門は、恐ろしい番犬ばんけん守っまもっています。

その番犬ばんけんは頭が三つみっつもあって、髪の毛かみのけ生きいきたヘビです。

「がぅぅ!」

番犬ばんけんはヘビの毛を逆立てさかだてて、飛びかかっとびかかってきました。

負けるまけるものか!」

オルフェウスは勇ましく立ち向かったちむかっていきましたが、番犬ばんけんの力にはかないません。

番犬ばんけんはオルフェウスを押さえつけるおさえつけると、そののどをかみ切ろうとしました。

(もう、もうだめだ)

その時、オルフェウスの手から滑り落ちすべりおち竪琴たてごとが、風にゆられて、

♪ポロロン

と、鳴りなりました。

すると番犬ばんけんは、

「くーーん」

と、急に大人しくなり、尻尾しっぽ振りふりながらオルフェウスを門の中に入れいれてくれました。

オルフェウスの美しい竪琴たてごと音色ねいろに、番犬ばんけんの心が穏やかおだやかになったのです。

オルフェウスが死の国の城の中へ入っはいって行くと、主であるハーデス王が驚いおどろいた顔で尋ねたずねました。

生きいきている者が、どうしてやってここにたのだ? あの番犬ばんけんは、何をしていたのだ」

するとオルフェウスは、竪琴たてごとをかなでながら言いいいました。

死んしんだ妻にどうしても会いあいたくて、ここまでやってまいりました。お願いです、どうか妻に会わあわせて下さい」

「だめだ。一度死んしんだ者を、生きいきた者に会わあわせる事は出来できん」

「ハーデス王、お願いです。妻に会わあわせてください」

オルフェウスはそう言ういうと、いっそう大きく竪琴たてごとをかなでました。

するとオルフェウスの竪琴たてごと音色ねいろ聞いきいて心が穏やかおだやかになったハーデス王は、ゆっくりうなづいて言いいいました。

「わかった。エウリュディケを返しかえしてやろう」

本当ほんとーですか! ありがとうございます!」

間もなく暗闇くらやみから、エウリュディケが姿を現しあらわしました。

可愛そうにエウリュディケは、毒ヘビに噛まかまれた足を痛そうに引きずっひきずっています。

「ああ、エウリュディケ!」

オルフェウスが駆け寄ろかけよろうとすると、ハーデス王が大声おーごえ止めとめました。

「待てっ! いいか、地上ちじょー戻るもどるまで、エウリュディケの顔をてはならん。言葉ことばもかけるな。この言いつけいーつけ守らまもらなかったら、エウリュディケとは二度と会えあえなくなるからな。わかったな」

「はい、必ず守りまもります」

オルフェウスは、ハーデス王に約束しました。

二人はすぐに、地上ちじょー続くつずく道を登りのぼり始めました。

(これでまた、エウリュディケと一緒に暮らせるくらせる)

二人は、暗く険しい道を進みすすみました。

エウリュディケがついてくる気配けはいはするのですが、声をかけても姿をてもいけないので、オルフェウスは本当にエウリュディケがているのか心配でたまりません。

(エウリュディケ、お前おまえは本当についてきているか? ヘビに噛まかまれた足は大丈夫だいじょーぶか?)

やがて、地上ちじょー明かりあかり見えみえてきました。

(よし、もうすぐ地上ちじょーだ。地上ちじょー出れでれば、エウリュディケは生き返るいきかえるんだ!)

オルフェウスは明るい光が満ちみちあふれる地上ちじょーたとたん、エウリュディケの方に振り返っふりかえって手を差し伸べさしのべました。

「エウリュディケ、さあ、つかまって」

そのとたん、オルフェウスの顔が真っ青まっさおになりました。

何とエウリュディケの片足かたあしが、まだ死の国の暗闇くらやみの中にあったのです。

オルフェウスはエウリュディケがまだ死の国にいる間に、姿をて声をかけてしまったのです。

「オルフェウス、わたしを迎えむかえてくれてありがとう。そしてさようなら」

エウリュディケは悲しい声を残しのこして、再び地の底に吸い込ますいこまれていきました。

「ああ、エウリュディケ!」

再び引き離さひきはなされた二人は、もう二度と会うあう事は出来できませんでした。

オルフェウスは竪琴たてごと弾きはじきながら野山のやまをさまよい歩きあるき悲しみかなしみの歌を歌いうたい続けたという事です。

おしまい


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オリンポス
多く
神さま
住む
オルフェウス
名前
竪琴
上手
弾く
音色
動物
植物
聞く
奥さん
野原
出かける
こっち
来る
ごらん
きれい
咲く
駆け出す
足元
ふみつける
怒る
足首
噛みつく
倒れる
動く
駆け寄る
抱き上げる
死ぬ
悲しみ
くれる
ならす
歌う
愛する
忘れる
出来る
行く
会える
会う
よみがえる
ハーデス
通じる
進む
たどり着く
番犬
守る
三つ
髪の毛
生きる
逆立てる
飛びかかる
負ける
立ち向かう
かなう
押さえつける
滑り落ちる
鳴る
尻尾
振る
入れる
穏やか
入る
驚く
尋ねる
かなでる
言う
うなづく
わかる
返す
本当
暗闇
現す
噛む
引きずる
大声
止める
地上
戻る
見る
言葉
かける
言いつける
続く
登る
暮らせる
気配
たまる
お前
大丈夫
明かり
見える
出る
生き返る
満ちる
あふれる
振り返る
差し伸べる
つかまる
真っ青
片足
迎える
残す
吸い込む
引き離す
野山
さまよう
歩く

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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