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かみなりぎらい

かみなりぎらい

江戸小話

むかしむかし、江戸えどに、民之助(たみのすけ)という

侍(さむらい)

がいました。

この侍、困っこまった事に、

かみなりさま

大嫌いだいきらいなのです。

それもちょっとやそっとではなく、遠くとーくの方で『ゴロゴロ』と鳴っなっただけで、もう体中がブルブルと震えるふるえるほどです。

そんな事だから、嫁のきてもありませんでした。

ある日の事、このかみなり嫌いきらいが仲の良い友だちともだちと酒を飲んのんでいました。

「おい、民之助。お前おまえはえらくかみなりさまが嫌いきらいだが、そんな物ぐらい、自分じぶんで何とかならんのか?」

「ならん! かみなりが怖いなんて、我ながら意気地いくじ(いくじ)がないと思うおもうが、そいつだけはどうにもならん!」

「どうしてもか?」

「ああ、何しろ、かみなりのそうな日は、もう朝から気が落ち着かおちつかん。それにいったん、ゴロゴロと鳴り出しなりだしたら、身も心も飛んとんでいって、この世このよにはない」

民之助はつらそうに、正直しょーじきなところを白状(はくじょう)しました。

それを聞いきい友だちともだちは、心の中で、

(この男、剣を持たせもたせばなかなかの腕前うでまえなのに、おかしな奴だ)

と、思いおもいながら、しばらくと考えかんがえていましたが、

「ああ、そうそう。お前おまえ、酒の方は、いける口だったな」

「いけるもなにも、こいつがなくては、これまた身も心も、この世このよにないわ。あはははっ」

民之助が苦笑いすると、友だちともだちはピシャリと膝を叩いたたい言いいいました。

「そうか、それなら、お前おまえのかみなり嫌いきらいが、ピタリと止まるとまる方法ほーほーがあるぞ」

「えーっ! そんなうまい方法ほーほーがか? ぜひ教えおしえてくれ!」

「うむ。だが、結構辛い事だぞ。教えおしえたところで、やれるかどうか」

「何を言ういう。やれるかやれんか、試しためしてみんことにはわかるまい」

「では、教えよおしえよう。いいか。これをやめるんだ」

「なに?」

お前おまえ好きすきな酒を、きっぱりやめてみろと言っいっているのだ。だがやめるといっても、そう長い間ではない。かみなりが、鳴り出すなりだすまでだ。鳴り出しなりだしたら、とたんに飲みのみ始めて構わかまわんぞ。どうだ」

「よしっ。やってみせる!」

それからというもの、民之助は友だちともだちとの約束をとにかく守りまもりました。

あれほど好きすきな酒を、一滴いってき飲まのまずにがまんしました。

暑さのきびしい日や疲れつかれのひどい時などは、たまらなく酒が飲みのみたくなります。

(ああ、一杯飲みのみたいなあ。いやいや、こういう時こそ、がまんだ。かみなり嫌いきらい治すなおすためだ)

するとある日、雨雲あまぐもが空一面に広がりひろがりました。

(そら、酒が飲るぞ)

民之助は踊りおどりあがって、酒の支度に台所だいどころ走りはしります。

ピカッ!

とっくりをつかんだとたんに、稲光いなびかり走りはしり

ゴロ、ゴロ、ゴロー!

と、かみなりが鳴りなりましたが、

「ありがたや。よくてくれた、かみなりどの」

と、民之助は茶わんちゃわんととっくりをえんがわに持ち出すもちだすと、どっかりとあぐらをかきました。

ゴロ、ゴロ、ゴロー!

ザザザザーッ!

かみなりは激しく鳴りなり、雨は滝のように降りおります。

しかし民之助は、うれしそうに酒を飲んのんでいます。

かみなりの怖さよりも、お酒が飲るうれしさの方が強かったのです。

こうして民之助のかみなり嫌いきらいは、すっかり治っなおったということです。

♪ちゃんちゃん

(おしまい)


江戸
たみの
すける
困る
大嫌い
遠く
鳴る
震える
嫌い
友だち
飲む
お前
自分
意気地
いくじ
思う
そいつ
来る
落ち着く
鳴り出す
飛ぶ
この世
正直
聞く
持たす
腕前
考える
いける
こいつ
叩く
言う
止まる
方法
教える
やれる
試す
わかる
やめる
好き
構う
守る
一滴
疲れ
治す
雨雲
広がる
踊り
あがる
台所
走る
ピカッ
とっくり
つかむ
稲光
ゴロー
茶わん
持ち出す
あぐら
ザザザザーッ
降りる
治る

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

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「今日は何の日?」

2021624

元:地球くん

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