muksi - story thumb

--:-- / --:--
山ネコを追い払ったご幣

山ネコを追い払ったご幣

百物語

むかしむかし、安芸あきの国(あきのくに→広島ひろしま県)に、山芋やまいも(ヤマイモ)掘りの名人めいじん呼ばよばれるおじいさんがいました。

山芋やまいもは土深くに伸びのびているので上手じょーず掘らほらないとすぐに折れおれてしまいますが、このおじいさんの手にかかれば、どんなに長い山芋やまいも根元ねもとまできちんとそろっていて、しかも味が良いのです。

ある日の事、おじいさんはネコ山と呼ばよばれる山へ出かけでかけました。

このネコ山には人を襲うおそう恐ろしい山ネコがいるとのうわさですが、それだけに誰も近づかちかずかないので、手つかずてつかず山芋やまいもがたくさんあるのです。

「山ネコが怖くて、うまい山芋やまいも掘れるほれるか」

おじいさんの思っおもっ通りとーり、ネコ山には見事みごと山芋やまいもがいくらでもありました。

でも、夢中むちゅー掘りほり続けているうちに、もう辺りあたり真っ暗まっくらです。

今夜こんやは、ここで野宿をするか」

おじいさんは木の下このしたに腰をおろすと、お弁当べんとー握り飯にぎりめし食べたべました。

夜中やちゅーになると山は静まりかえりしずまりかえり、なに一つひとつ聞こえきこえてきません。

さすがのおじいさんも気味悪くなり、横になっても寝つくねつく事が出来できません。

それでも、ようやくウトウトしはじめた時、突然に生臭い風が吹いふいてきて、おじいさんはハッと目を覚ましさましました。

ふと見るみると、黒くて大きな物が、おじいさんの上へ覆いおーいかぶさる様に立ったっているのです。

逃げよにげようとしても金縛りかなしばり(かなしばり)にあってしまい、おじいさんの体はピクリとも動きうごきません。

(仕方しかたがない)

おじいさんは逃げるにげるのをあきらめて、黒くて大きな物を見つめみつめました。

よく見るみるとそれは毛むくじゃらけむくじゃらのけもので、金色きんいろにギラギラと光るひかる二つふたつの目を持っもっています。

(こいつは、山ネコだ!)

山ネコはおじいさんに顔を近づけるちかずけると、ヤスリの様にザラザラとした舌でおじいさんの体をなめ始めました。

(もう、なるようになれ)

おじいさんは覚悟を決めきめて目を閉じとじましたが、山ネコは、おじいさんの体をなめ回すまわすばかりで、いっこうに食いつこくいつこうとはしません。

しばらくすると、山ネコがくやしそうに言いいいました。

誰かだれかが、邪魔じゃまをしやがったな」

(・・・?)

おじいさんは、何の事か分かりわかりません。

山ネコは何度も大口おーぐち開けあけておじいさんに食いつこくいつこうとしますが、どう頑張っがんばってもなめまわす事しか出来できないのです。

「くそっ、どうしても食うくう事が出来できない!」

やがて山ネコはあきらめて、そのまま去っさってしまいました。

助かったすかった」

山ネコがいなくなって金縛りかなしばりのとけたおじいさんは、ホッとして起き上がりおきあがりました。

そして体をてみると、いつの間にか体中に、ご幣(ごへい→紙を細く切っきったもので、神社じんじゃ祭っまつってある)の紙が巻きまきついていたのです。

助かったすかったのは、このご幣のおかげか」

夜が明けあけて山をおりたおじいさんは、そのご幣を持っもってあちこちの神社じんじゃをたずね歩きあるきました。

「すみません。このご幣は、こちらの物でしょうか?」

しかし、どこの神社じんじゃ行っいっても、

「これは、うちの物でない」

と、言ういうのです。

おじいさんは仕方しかたなく、村の氏神うじがみ(うじがみ→住むすむ土地とち守り神まもりがみ)さまになっている神社じんじゃ行きいきました。

「これは、山ネコからわたしの命を助けたすけてくれたご幣です。どこの物か分からわからないので、ここで預かっあずかってほしいのですが」

「はい、いいですよ。・・・うん? これは、うちのご幣だ」

神主かんぬしさんが驚いおどろい神社じんじゃの中を調べしらべてみると、やっぱりご幣がなくなっています。

「なんと、氏神うじがみさまのご幣だったのか」

おじいさんは喜んよろこんで、氏神うじがみさまにご幣をお返ししました。

その後そのご、この神社じんじゃは山ネコを追い払っおいはらったご幣の氏神うじがみさまという事で有名ゆーめいになり、山仕事へ行くいく人はみんな、この神社じんじゃへお参りをする様になったという事です。

おしまい


安芸
あきる
広島
山芋
ヤマイモ
名人
呼ぶ
おじいさん
伸びる
上手
掘る
折れる
かかる
根元
そろう
出かける
襲う
近づく
手つかず
たくさん
掘れる
思う
通り
見事
夢中
辺り
真っ暗
今夜
木の下
おろす
弁当
握り飯
食べる
夜中
静まりかえる
一つ
聞こえる
寝つく
出来る
吹く
覚ます
見る
覆い
かぶさる
立つ
逃げる
金縛り
ピクリ
動く
仕方
あきらめる
見つめる
毛むくじゃら
のけもの
金色
光る
二つ
持つ
こいつ
近づける
ヤスリ
なめる
なれる
決める
閉じる
回す
食いつく
言う
誰か
邪魔
分かる
大口
開ける
頑張る
まわす
食う
去る
助かる
とける
起き上がる
切る
神社
祭る
巻く
おかげ
明ける
おりる
あちこち
たずねる
歩く
こちら
行く
氏神
住む
土地
守り神
助ける
預かる
神主
驚く
調べる
なくなる
喜ぶ
その後
追い払う
有名
みんな

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

muksi

MUKSI







Check Our Apps

download app on apple storedownload app on google play
© 2020 CopyrightiMuksiAll Rights Reserved.