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海坊主

海坊主

百物語

むかしむかし、ある夏の事。

漁師りょーし(りょうし)たちが海で魚を取っとっていましたが、どうした事か、今日きょーはほとんど魚が取れとれません。

仕方しかたがない、もっと沖へ行こいこうか」

「そうだな。これでは、かせぎにならん」

そこで船を沖へ移動させると、今度こんどは面白い様に魚が取れとれます。

そこでついつい夢中むちゅー取っとっているうちに、すっかり日が暮れくれてしまいました。

「さあ。今日きょーは、もう帰るかえるぞ」

そう言っいっ漁師りょーしたちがアミをしまっていると、突然波の中から、坊主ぼーず頭の様な物が浮かび上がっうかびあがってきたのです。

「でっ、たー! 海坊主うみぼーずだー!」

漁師りょーしたちはみんな、ブルブルと震え上がりふるえあがりました。

「何をボヤボヤしている! はやく船をこいで、浜(はま)へ逃げるにげるんじゃ!」

船頭せんどー言葉ことば漁師りょーしたちは我に返るかえると、懸命けんめいに船をこぎ始めました。

しかし海坊主うみぼーず泳いおよいで来て、船べり(→船の側面そくめん)に手をかけました。

そして、恐ろしい声で言いいいます。

「ひしゃく。ひしゃくをくれえ~。ひしゃくをくれえ~」

「わかった、いまやる」

漁師りょーしの一人がひしゃくを渡そわたそうとすると、船頭せんどーはそのひしゃくの底を素早く打ち抜いうちぬいて、船べりからなるべく遠くとーくへと投げなげました。

「それ、今のうちに、全力ぜんりょくでこぐんだ」

一方、海坊主うみぼーず遠くとーく投げなげられたひしゃくを追いかけおいかけて行きましたが、そのひしゃくの底が抜けぬけている事に気がつくきがつくと、

「よくも、だましたな! 待てぇー!」

と、すごい勢いいきおいで船を追いかけおいかけてきました。

しかし船は間一髪かんいっぱつのところで浜へ着くつくと、みんなが浜へと駆けかけ上がっあがったので、海から出るでる事が出来できない海坊主うみぼーずにはどうする事も出来できません。

海坊主うみぼーずは、しばらくうらめしそうに漁師りょーしたちをていましたが、やがてどこかへ行っいってしまいました。

「ああ、恐ろしかった。しかしどうして、ひしゃくの底を抜いぬい遠くとーく投げなげたんじゃ?」

漁師りょーしの一人が聞くきくと、船頭せんどーはこう答えこたえました。

「これからもある事だから、よく覚えおぼえておけよ。

もしあの時、海坊主うみぼーず言ういう通りとーりに底のついたひしゃくを渡しわたしてしまったら、海坊主うみぼーずはそのひしゃくで海の水を船にくみ入れいれて、最後さいごには船を沈めしずめてしまうんだ。

かと言っいって、ひしゃくを渡さわたさないと、海坊主うみぼーず怒っおこって船を壊しこわしてしまう。

だから、底を抜いぬいたひしゃくを渡すわたすんじゃ」

それを聞いきい漁師りょーしたちは、さらに震え上がりふるえあがりました。

おしまい


漁師
りょう
取る
今日
取れる
仕方
行く
かせぐ
今度
夢中
暮れる
帰る
言う
しまう
坊主
浮かび上がる
出る
海坊主
みんな
震え上がる
逃げる
船頭
言葉
返る
懸命
泳ぐ
側面
かける
ひしゃく
くれる
わかる
渡す
打ち抜く
遠く
投げる
全力
追いかける
抜ける
気がつく
だます
勢い
間一髪
着く
駆ける
上がる
出来る
見る
抜く
聞く
答える
覚える
通り
入れる
最後
沈める
怒る
壊す

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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