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カエルと娘

カエルと娘

百物語

むかしむかし、大阪おーさかのある町に、着物きもの布地ぬのじ商うあきなう男がいました。

男は年に二回ほど重い荷を背負っせおって、福井ふくいの町まで商売に出かけでかけていました。

そして大阪おーさかにはちゃんと奥さんおくさんがいるのに、福井ふくいで世話になっている大きなお店では、

「もう四十に手が届きとどきますが、まだ一人者で妻もおりません。まこと、さみしいかぎりです」

などとうそを言っいって、お店で働いはたらいている若い娘を騙しだまして、自分じぶん身の回りみのまわりの世話をさせていました。

さて、一月いちがつ八日の事です。

男は大阪おーさかの家に友だちともだち招いまねいてお酒を飲んのんでいると、どこからか一匹のカエルが部屋へやの中に入っはいってきました。

「おや? 土の中が寒くて、暖まりあたたまりて来たのか?」

男が言ういうと、友だちともだちがからかって言いいいました。

「いやいや、こんな季節外れきせつはずれに、カエルがて来るのは普通ふつーではない。これはきっと、お前おまえの商売がひっくり返るひっくりかえるというお告げおつげじゃ。わっはははは」

馬鹿ばかな事を言ういうな。縁起えんぎでもない」

腹を立てたてた男は、いらだちまぎれに火箸ひばし炭火すみびでまっ赤に焼くやくと、それをカエルの頭に押し付けおしつけました。

ジューーッ!

頭を大やけどしたカエルは、くるんとひっくり返っひっくりかえっ死んしんでしまいました。

しばらくが過ぎすぎ二月にがつ中旬ちゅーじゅんになると、男はまた商売の荷を背負っせおっ福井ふくい出かけでかけました。

そして世話になっているお店へ行くいくと、親しくしている娘の姿がありません。

「おや? あの娘は出かけでかけているのですか?」

男がたずねると、お店のおかみさんが涙を流しながし言いいいました。

「あの娘は、亡くなりなくなりました」

「えっ!?」

「あれは、正月しょーがつ八日の夜の事です。

あの娘にお茶おちゃをたてさせながら、

『もうすぐ二月にがつだね。今度こんど大阪おーさかからあの人がたら、夫婦ふーふになる様に話をしようかね』

と、そんな事を話しはなしていると、あの娘は恥ずかしそうに顔を赤くしていましたが、そのうちに急にごろんと横に倒れたおれたのです。

そしてまるでカエルの様に手足てあしをのばし、ブルブル震えふるえながら息をひきとってしまいました。

その時に、あの娘の頭を見るみると、頭のてっぺんに焼けやけ火箸ひばし当てあてた様なやけどがあったのです。

いい娘だったのに、かなしい事です」

おかみさんは何度も涙をぬぐいながら、不思議ふしぎ死にしに方をした娘の話を終えおえて男の顔をました。

すると男は白目しろめをむき、額からたらたらと玉の様な油汗を流しながしていました。

「おや? どういたしました?」

お店のおかみさんが男の顔をのぞき込むのぞきこむと、男はまるでカエルの様にグビグビと喉を動かすうごかすばかりで、そのまま死ぬしぬまで口をきく事が出来できなかったそうです。

おしまい


大阪
着物
布地
商う
背負う
福井
出かける
奥さん
届く
おりる
まこと
かぎり
言う
働く
騙す
自分
身の回り
一月
友だち
招く
飲む
カエル
部屋
入る
暖まる
出る
からかう
季節外れ
普通
お前
ひっくり返る
お告げ
馬鹿
縁起
立てる
いらだち
まぎれる
火箸
炭火
焼く
押し付ける
ジューーッ
やけど
くるむ
死ぬ
過ぎる
二月
中旬
行く
たずねる
かみさん
流す
亡くなる
正月
お茶
たてる
今度
来る
夫婦
話す
倒れる
手足
のばす
震う
ひきとる
見る
てっぺん
焼ける
当てる
ぬぐう
不思議
終える
白目
いたす
のぞき込む
グビグビ
動かす
出来る

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「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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