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魂のある人形

魂のある人形

百物語

むかしむかし、江戸えどのある料理屋で、三代春(みよはる)という三十歳になる女の人が働いはたらいていました。

ある時、三代春はお客おきゃくから小さな人形にんぎょーをもらいました。

四、五歳くらいの女の子おんなのこの姿をした、とても可愛らしい人形にんぎょーです。

三代春はこの人形にんぎょー大変たいへん気に入りきにいり自分じぶん着物きものをつくっては人形にんぎょー着せきせて、我が子の様に可愛がっていました。

ところがある時、どうしてもお金おかね困るこまる事があったので、三代春は人形にんぎょーに何枚もの着物きもの着せきせて絹の布で大事だいじ包むつつむと、立派りっぱな木の箱に入れいれ質屋しちや預けあずけお金おかね借りかりました。

そして人形にんぎょーをそのままにして、三代春はお店をやめると十数年ぶりに実家じっか戻りもどり母親ははおやと一緒に暮らしくらし始めたのです。

さて、それから数ヶ月たった、春の夜の事。

三代春は、不思議ふしぎな夢をました。

お店にいた時に可愛がっかわいがっていた人形にんぎょーが夢に現れあらわれて、こんな事を言ういうのです。

「あなたはお店をやめて、お母さんおかーさんと楽しく暮らしくらしていますが、わたしは何枚も着物きもの着せきせられて、その上、絹の布でぐるぐる巻きまきにされて、暑さと息苦しさで着物きもののそでを食いくいちぎって、やっと息をしています。

まっ暗まっくら質屋しちやの蔵から、早く出しだしてください。

ああ、暑い。

ああ、苦しい。

早く、早く」

娘がうなされている声を聞いきいて、母親ははおやは三代春を起こしおこしました。

「これ、どうしたんだい? 汗びっしょりでうなされて」

そして娘から、人形にんぎょーの話を聞いきい母親ははおやは、

お前おまえは、なんて事をしたんだい。

いいかい、人形にんぎょーには魂があるんだよ。

それをそのまま質屋しちやの蔵なんかに入れいれておくなんて、うらまれたらどうするんだね。

お金おかね必要ひつよーなら、兄さんにーさん市蔵いちぞー(いちぞう)に頼んたのんで、早く人形にんぎょー出しだしてもらわないと」

そう言っいって、ほかの町に住むすむ三代春の兄のところへ出かけでかけて行きました。

市蔵いちぞー母親ははおやの話を聞くきくと、すぐに質屋しちや行っいっお金おかね返しかえし、妹の三代春が預けあずけていた人形にんぎょーを蔵から出しだしてくれたのです。

市蔵いちぞー店先みせさきで、引き取っひきとっ人形にんぎょーの木箱を開いひらいてみました。

くるんである絹の布をとくと、三代春の夢の話通り、人形にんぎょーのそでが食いくいちぎられていたそうです。

おしまい


江戸
働く
お客
人形
もらう
女の子
大変
気に入る
自分
着物
つくる
着せる
お金
困る
大事
包む
立派
入れる
質屋
預ける
借りる
やめる
実家
戻る
母親
暮らす
不思議
見る
可愛がる
現れる
言う
あなた
お母さん
巻き
食う
ちぎる
まっ暗
出す
うなされる
聞く
起こす
お前
うらむ
必要
兄さん
市蔵
頼む
住む
出かける
行く
返す
店先
引き取る
開く
くるむ

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「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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