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左甚五郎の忘れ傘

左甚五郎の忘れ傘

日本の昔話

むかしむかし、日本一にっぽんいち名工めいこーと名高い左甚五郎じんごろー(ひだりじんごろう)が、京都きょーとの知恩院(ちおんいん)というお寺おてら本堂ほんどーを完成させた時、それをた都の人たちが、そのあまりの見事みごとさにこんなうわさをしました。

「さすがは、左甚五郎じんごろー見事みごと出来できだ」

「ああ、ここには、一点の欠点けってんもない」

「しかし、あまりにも完全かんぜんすぎると、それを知っしっ神さまかみさまが嫉妬(しっと)して、不幸ふこー起こすおこす言ういうぞ」

もちろん、この言い伝えいーつたえ知っしっていた左甚五郎じんごろーは、この仕事がまだ不完全ふかんぜんであるかのように見せかけるみせかけるために、お堂の屋根やねの瓦を二枚、わざとつけなかったのです。

そしてさらに自分じぶん使っつかっている唐傘(からかさ)を、わざと本堂ほんどーのわきに置いおい帰りかえりました。

さて、本堂ほんどーが完成してからしばらくして、本堂ほんどーで偉いお坊さんぼーさんの話を聞くきく会がもよおされました。

その日は、あいにくの大雨おーあめでしたが、その雨の中をやって来やってきた一人の子どもこども熱心ねっしんに話を聞いきいていました。

「まだ小さいのに、なかなか信心深い子だ」

話をしているお坊さんぼーさんは、とても感心して子どもこどもていました。

やがて話は終りおわりましたが、大雨おーあめは少しもやむ気配けはいがありません。

そこでお坊さんぼーさんは、本堂ほんどーからていこうとする子どもこどもに声をかけました。

「この雨では、風邪かぜ引いひいてしまう。この傘を、持っもって行きなさい」

そしてそこに立てかけたてかけてあった甚五郎じんごろーの唐傘を、子どもこども差し出しさしだしました。

すると子どもこども礼儀れいぎ正しく頭を下げさげて、こう言っいったのです。

「わたしは、このご本堂ほんどー建つたつ前からここの草むらくさむら住んすんでいた、濡髪ぬれがみ童子どーじ(ぬれかみどうじ)という白ギツネです。

住み慣れすみなれた家を奪わうばわれて、うらみに思っおもっていましたが、今日きょー、お坊さまのお話を聞いきいて心を入れ替えるいれかえる事にしました。

うらみは忘れわすれて、これからはこのお寺おてらをお守りします」

それを聞いきいたお坊さんぼーさんはびっくりしましたが、にっこり笑っわらっ言いいいました。

「そうか、ありがとう。それならここに祠(ほこら)を建てたてて、そなたの住むすむ所をつくってやろう」

白ギツネの濡髪ぬれがみ童子どーじはうなずいて傘を借りるかりると、降りしきるふりしきる雨の中を山の方へと帰っかえっていきました。

次の日、お坊さんぼーさんが朝のおつとめをすませて本堂ほんどーからてくると、本堂ほんどーのわきの軒下のきしたに、昨日きのー貸しかし甚五郎じんごろーの唐傘がちゃんと置いおいてありました。

坊さんぼーさんはにっこり微笑むほほえむと、白ギツネとの約束通り、お寺おてら境内けいだいに小さな祠を建てたてて、濡髪ぬれがみ堂(ぬれかみどう)と名づけなずけたのです。

甚五郎じんごろー忘れわすれ傘は、長い年月としつきに紙が腐っくさって骨だけになってしまいましたが、今でも知恩院の本堂ほんどー置いおいてあるそうです。

おしまい


日本一
名工
甚五郎
ひだり
京都
お寺
本堂
見る
見事
出来
欠点
完全
知る
神さま
不幸
起こす
言う
言い伝え
不完全
見せかける
屋根
つける
自分
使う
置く
帰る
坊さん
聞く
もよおす
大雨
やって来る
子ども
熱心
終る
気配
出る
かける
風邪
引く
持つ
立てかける
差し出す
礼儀
下げる
建つ
草むら
住む
濡髪
童子
ぬれる
どうじる
ギツネ
住み慣れる
奪う
うらみ
思う
今日
入れ替える
忘れる
笑う
建てる
つくる
うなずく
借りる
降りしきる
つとめる
すませる
軒下
昨日
貸す
微笑む
境内
名づける
年月
腐る

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「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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