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カニ寺

カニ寺

百物語

むかしむかし、ある国に小沢おざわ村(こざわむら)という村がありました。

この村には大きな池があって、いつの頃からかカニの化け物ばけもの住みつくすみつくようになりました。

このカニの化け物ばけものは池にやって来るやってくる者を次々と食いくい殺しころし、ついには、近くちかくにあるお寺おてら

和尚おしょー

(おしょう)さんまで食いくい殺しころしてしまったのです。

村人むらびとたちはこの池を怖がっこわがって、昼間ひるまでも近づくちかずく者はいません。

そして和尚おしょーさんのいなくなったお寺おてらは、人のいない荒れあれ寺になってしまいました。

さて、この国の海岸かいがん寺(かいがんじ)というお寺おてらに、学問ばかりでなく武芸ぶげいにも優れすぐれ和尚おしょーさんがいました。

旅人たびびとから小沢おざわ村の化け物ばけものの話を聞かさきかされた和尚おしょーさんは、腹を立てたて言いいいました。

「どんな化け物ばけものかは知らしらんが、仏に仕えるつかえる者まで食いくい殺すころすとは、けしからん!」

そして、さっそく小沢おざわ村へ行くいくと、村人むらびと止めるとめるのも聞かきかずに、池の近くちかく荒れあれ寺をたずねて行きました。

すると荒れあれ寺から、一人の小僧こぞーてきました。

(はて、確かここには、誰もいないはずだが・・・)

和尚おしょーさんは不思議ふしぎ思いおもいながらも、小僧こぞーにたずねました。

「この寺の住職じゅーしょく(じゅうしょく)は、いかがなされた」

「はい。用事よーじがあって、よそへ出かけでかけておられます」

「いつ、戻らもどられる」

「さあ、しばらくは戻らもどらないというだけで、いつ戻るもどるとは聞いきいておりません」

(これは、いよいよ怪しいぞ)

そこで和尚おしょーさんは、何食わくわぬ顔で言いいいました。

「わしは旅の僧。今夜こんや、ここに泊めとめてもらえぬか?」

すると小僧こぞーは、ニコニコして言いいいました。

「はい。どうぞ、どうぞ。こんな荒れあれ寺でよかったら、遠慮なくお泊まりとまりください」

その晩、和尚おしょーさんがお堂の中で横になっていると、ヒトヒトと近づいちかずいて来る足音あしおとがします。

足音あしおとがお堂の前どーのまえ止まるとまると、すーっと扉(とびら)が開くひらく音がしました。

何者なにもの!」

和尚おしょーさんが素早く立ち上がったちあがって杖(つえ)を構えるかまえると、そこには昼間ひるま小僧こぞー立ったっていました。

小僧こぞーが、恐ろしい声で言いいいました。

「わしの問答を受けうけてみろ!」

望むのぞむところ。何なりと問いかけといかけてみろ」

「ならば聞くきく。オテにコテとはこれいかに」

「オテにコテとは鎚(つち→金づちかなずちや木づち)の事なり。カツ!」

言ういうなり和尚おしょーさんは、小僧こぞーの頭を杖で叩きはたきました。

そのとたん、小僧こぞーの姿が消えきえて、天井てんじょーが音をたてて崩れくずれます。

そして天井てんじょーの穴から針金はりがねの様な黒い毛の生えはえた足が垂れ下がりたれさがり怒鳴るどなる様な声で言いいいました。

「タイソクはニソク、ショウソクはロクソク、リョウガンはテンをむく。これいかに」

「大きな足が二本に小さな足が六本、両方りょーほーの目が天を向くむくのは、カニの化け物ばけもの。きさまがこの寺の和尚おしょー食いくい殺しころしたのだな!」

和尚おしょーさんは杖を振り上げるふりあげると、その毛むくじゃらけむくじゃらの足を力いっぱい叩きはたきました。

すると天井てんじょー大目玉おーめだま現れあらわれ大目玉おーめだまからカミナリの様な閃光せんこー放つはなつと、ガシャリと下へ落ちおちました。

和尚おしょーさんは、その上へもう一度杖を振りふり下ろしおろします。

「ギャオオオーーーーーー!」

ものすごい叫び声さけびごえとともに、辺りあたりまっ暗まっくらになりました。

翌朝よくあさ、心配をしてやって来やってき村人むらびとたちがお堂の中をてみると、天井てんじょー破らやぶられ、床の上に黒い血の様なしみが点々てんてんとついていました。

和尚おしょーさんは、村人むらびとたちに言いいいました。

「もう大丈夫だいじょーぶ化け物ばけものは退治した。おそらく池には、背中せなかをつぶされたカニが浮いういているはずじゃ」

村人むらびとたちが池へ行くいくと、確かたしか背中せなか割らわられた大きなカニの死体したい浮いういていました。

村人むらびとたちは大喜びよろこび和尚おしょーさんにお礼を言ういうと、荒れ果てあれはてお寺おてらを新しく建て直したてなおして、名前なまえを『カニ寺』と名づけなずけたそうです。

おしまい


小沢
化け物
住みつく
やって来る
食う
殺す
近く
お寺
和尚
村人
怖がる
昼間
近づく
荒れる
海岸
武芸
優れる
旅人
聞かす
立てる
言う
知る
仕える
けしからん
行く
止める
聞く
たずねる
小僧
出る
不思議
思う
住職
しょく
用事
出かける
戻る
今夜
泊める
泊まる
足音
堂の前
止まる
開く
何者
立ち上がる
構える
立つ
受ける
望む
問いかける
金づち
叩く
消える
天井
たてる
崩れる
針金
生える
垂れ下がる
怒鳴る
ニソク
ショウソク
リョウ
両方
向く
振り上げる
毛むくじゃら
大目玉
現れる
カミナリ
閃光
放つ
ガシャリ
落ちる
振る
下ろす
叫び声
辺り
まっ暗
翌朝
見る
破る
点々
大丈夫
背中
つぶす
浮く
確か
割る
死体
喜び
荒れ果てる
建て直す
名前
名づける

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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