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二つ目のお化け

二つ目のお化け

百物語

むかしむかし、江戸えど浅草あさくさ(あさくさ)で、見世物みせもの小屋こや(みせものごや)を出しだしている伝七(でんしち)という男がいました。

軽業かるわざや犬の曲芸きょくげいなど、色々いろいろ出し物だしものをやってみましたが、どうもお客おきゃく集まっあつまってきません。

「何かうまい出し物だしものはないだろうか? お化けおばけ屋敷やしきはそれなりに儲かるもーかる聞くきくが、あれは元手もとでがかかるからな」

そんなある日、伝七でんしちはなじみの客に、北の国には

一つひとつ

小僧こぞーがいると聞いきいたのです。

「そいつだ!」

伝七でんしちは、飛び上がっとびあがっ喜びよろこびました。

本物ほんもの一つひとつ小僧こぞー見世物みせものにすれば、お化けおばけ屋敷やしきよりも儲かるもーかる違いちがいない。さっそく二、三人さらってきて、大もうけをしよう」

こうして伝七でんしちは、北の国へ出かけでかけました。

山を越えこえ、野を越えこえ、何日も何日も北へ北へと歩いあるいていくと、どうしたものか、暗い森の中に迷い込んまよいこんでしまいました。

もう日が暮れくれて、帰るかえる道さえ分かりわかりません。

「えらいこっちゃ。こんな所で野宿とは」

その時、どこからか歌が聞こえきこえてきました。

耳をすませてみると、どうやら子どもこどもの声です。

子どもこどもがいるという事は、近くちかくに家があるに違いちがいない」

伝七でんしちはその家に泊めとめてもらおうと、熊笹くまざさ押し分けおしわけて声のする方へ行きいきました。

すると山の中だというのに立派りっぱな町があって、その町外れまちはずれで五、六人の子どもこどもたちが遊んあそんでいたのです。

「おーい・・・」

伝七でんしち子どもこどもたちに声を掛けよかけようとしましたが、その子どもこどもたちの顔を驚きおどろきました。

何とその子どもこどもたちは、どれもこれも一つひとつ目だったのです。

(何と、ここが一つひとつ目の国だったのか。よーし、あの子どもこどもをさらって、見世物みせものにしてやろう)

伝七でんしち子どもこどもたちの背後はいごからそーっと近づくちかずくと、近くちかくにいた二人の子どもこども両手りょーてでグイと捕まえつかまえました。

そして二人の子どもこどもを両脇に抱えかかえて、連れ去ろつれさろうとしたとたんに、

「こら! 子どもこどもに何をする!」

と、伝七でんしち背中せなか蹴飛ばさけとばされて、地面じめんにたたきつけられてしまいました。

伝七でんしちがひょいと顔をあげてみると、いつの間にか伝七でんしち大人おとな一つひとつ目たちに周りまわり取り囲まとりかこまれていました。

大人おとな一つひとつ目たちは、伝七でんしちの顔を驚きおどろきます。

「おい、見ろみろ! この男は二つふたつ目だ。目が二つふたつもあるぞ」

そして大人おとな一つひとつ目たちは伝七でんしちをなわでぐるぐる巻きまき縛り上げしばりあげて、一つひとつ目の国へと連れつれて行きました。

翌朝よくあさ伝七でんしち見世物みせもの小屋こや連れつれて行かれると、大勢たいせい一つひとつ目が集まっあつまっている前に突き出さつきだされました。

「さあ、いらっしゃい、いらっしゃい。

世にも珍しい、二つふたつ目のお化けおばけだよ。

何とこのお化けおばけには、目が二つふたつもあるんだ」

こうして伝七でんしちは、一つひとつ目の国で見世物みせものにされてしまったのです。

おしまい


江戸
浅草
見世物
小屋
出す
軽業
曲芸
色々
出し物
お客
集まる
お化け
屋敷
それなり
儲かる
聞く
元手
かかる
伝七
なじみ
一つ
小僧
そいつ
飛び上がる
喜ぶ
本物
違い
さらう
出かける
越える
歩く
迷い込む
暮れる
帰る
分かる
聞こえる
すませる
子ども
近く
泊める
熊笹
押し分ける
行く
立派
町外れ
遊ぶ
掛ける
見る
驚く
してやる
背後
近づく
両手
捕まえる
抱える
連れ去る
背中
蹴飛ばす
地面
たたく
あげる
大人
周り
取り囲む
二つ
巻き
縛り上げる
連れる
翌朝
大勢
突き出す
いらっしゃい

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: N4

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「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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