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幽霊の泣き声

幽霊の泣き声

百物語

むかしむかし、あるところに、三太(さんた)という男がいました。

三太には近くちかくの村へ嫁入りよめいりをしている、およしという妹がいます。

そのおよしが、急な病気で亡くなっなくなったのです。

三太はさっそく嫁入りよめいり先に駆けつけかけつけて、無事ぶじにお葬式そーしきをすませました。

「やさしい妹だったのに、おれよりも先に死んしんじまうなんて・・・」

その夜、三太がおよしの事を考えかんがえながら村はずれの松林まつばやしまで戻っもどって来ると、後ろうしろの方から、しくしくと女の泣き声なきごえ聞こえきこえました。

「はて? こんなところで、誰が泣いないているのかな?」

後ろうしろ振り返っふりかえってみましたが、暗くてよくわかりません。

「気のせいか?」

しばらくして歩きあるき出すと、また後ろうしろの方からしくしくと泣き声なきごえがします。

それも、どうもどこかで聞いきいた様な泣き声なきごえです。

「あっ、あの声は。もしや、およしの声では・・・」

しかし今さっき、およしのお葬式そーしきをすませたばかりです。

およしはお墓に埋めうめたので、ここにいるはずがありません。

「ゆ、ゆ、幽霊ゆーれいか?」

怖くなった三太は、そのまま後もずに駆け出しかけだしました。

ところがいくら走っはしっても、およしの泣き声なきごえ追いかけおいかけて来るのです。

「うわあああー!」

三太は、やっとの事で自分じぶんの家に駆け込むかけこむと、そのまま気を失っうしなってしまいました。

「三太! 一体、どうしたんだ?」

家の人が三太を介抱すると、気がついきがついた三太は両手りょーてで耳を押さえおさえ言いいいました。

「おっ、およしの幽霊ゆーれいだ。ほら、ほら、しくしくと泣いないてる」

「えっ?!」

家の人は思わず耳をすましましたが、泣き声なきごえなんか聞こえきこえません。

「何を、言っいっている。何も、聞こえきこえないぞ」

お前おまえは妹をかわいがっていたから、そんな気がするんだ。

さあ、風呂ふろにでも入っはいって、気持ちきもち落ちつかおちつかせろ」

「・・・そう、そうだな」

三太は気を取り直すとりなおすと、風呂ふろ入りはいりました。

ところがやっぱり、泣き声なきごえ聞こえきこえて来るのです。

三太は風呂ふろ入っはいったまま、頭をかかえ込みかかえこみました。

泣き声なきごえはだんだん近づいちかずいて来て、今度こんどは目の前の壁の穴から聞こえきこえはじめます。

そればかりか、

「・・・あにさん、・・・あにさん。・・・苦しいよ、・・・さみしいよ」

と、呼びかけよびかけてくるのです。

三太は怖くて怖くて、もう気が狂いくるいそうです。

ついにたまりかねて風呂ふろから飛び出そとびだそうとすると、なんと壁の穴から細くて青白い腕がにゅうっと伸びのびてきて、三太の首すじくびすじをつかみました。

「ぎゃあーーーーーーーーーっ!」

三太は大声おーごえ叫ぶさけぶと、裸のままみんなのいる部屋へや駆け込みかけこみました。

「どうした、そんなかっこうで」

家の人が尋ねたずねますが、三太は口をパクパクさせるばかりでしゃべる事が出来できません。

そして頭から布団ふとんをかぶって、がたがたと震えふるえていました。

それから何日も過ぎすぎましたが、三太の耳にはおよしの泣き声なきごえ聞こえきこえ続けます。

そこで家の人は祈とう師(きとうし→神仏しんぶつにおいのりをする僧侶そーりょ神官しんかん)を呼んよんで、幽霊ゆーれい追い払うおいはらうおまじないをしてもらいました。

するとそれからは、およしの声は聞こえきこえなくなったそうです。

おしまい


近く
嫁入り
亡くなる
駆けつける
無事
葬式
すませる
死ぬ
考える
はずれ
松林
戻る
後ろ
泣き声
聞こえる
泣く
振り返る
わかる
歩く
聞く
埋める
幽霊
見る
駆け出す
走る
追いかける
自分
駆け込む
失う
気がつく
両手
押さえる
言う
すます
お前
かわいがる
風呂
入る
気持ち
落ちつく
取り直す
かかえ込む
近づく
今度
呼びかける
狂う
たまりかねる
飛び出す
ゅうっと
伸びる
首すじ
つかむ
大声
叫ぶ
みんな
部屋
かっこう
尋ねる
しゃべる
出来る
布団
かぶる
震える
過ぎる
神仏
僧侶
神官
呼ぶ
追い払う
おまじない

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muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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