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狩人とネコまた

狩人とネコまた

百物語

むかしむかし、あるところに、とても腕のいい狩人かりゅーど(かりゅうど)がいました。

狩人かりゅーど毎日まいにち、犬を連れつれて山に入っはいっ獲物えものをとっていました。

ところが、ある日の事。

「おかしいな。今日きょーは、獲物えものがちっともおらん」

狩人かりゅーど獲物えものをもとめて、いつしか山奥やまおく入り込んはいりこんでしまいました。

「これは困っこまった。日が暮れくれて、帰り道かえりみち分からわからぬ」

ふと前を見るみると、向こうむこーに家の明かりあかり見えみえました。

「ありがたい。今夜こんやはあそこで、泊めとめてもらおう」

狩人かりゅーど明かりあかりをたよりに進むすすむと小さなあばら家あばらやがあって、一人のおばあさんが住んすんでいました。

「すみません。日が暮れくれて、難儀しております。どうか、一晩泊めとめてもらえませんか?」

するとおばあさんは、狩人かりゅーど連れつれている犬を言いいいました。

食うくう物はねえが、それでいいなら泊まるとまるがいい。ただし、犬はしっかりと外につないでおれよ。家に入れるいれると、おらのネコに食わくわれてしまうでな。いっひひひひ」

「ネコが犬を食うくう?」

狩人かりゅーどが家の中を見回すみまわすと、かまどのそばに一匹のネコがいて、うつらうつらと居眠りをしていました。

「何を馬鹿ばかな事を。おらの犬は、クマでもイノシシでも倒すたおす犬だ。あんなネコごときに、食わくわれるはずがなかろう」

「いいや、おらのネコは、なみの強さでねえ。うそと思うおもうなら、けんかさせてみるか?」

おばあさんが言ういうと、かまどのそばのネコがあくびをしながら、金色きんいろ光るひかる目を開きひらきました。

確かたしかに強そうなネコですが、犬に勝てるかてるなんて信じしんじられません。

狩人かりゅーどは、おばあさんに馬鹿ばかにされていると思いおもい、少し腹を立てたてながら言いいいました。

「おおっ、のぞむところだ。どちらが強いか、勝負させてみよう」

狩人かりゅーどが犬をけしかけてネコと闘わたたかわせて見るみると、驚いおどろいた事に犬はたちまち殺さころされてしまいました。

「・・・そっ、そんな馬鹿ばかな」

狩人かりゅーどはくやしくて、夜が明けるあけると同時に村へ飛んとん帰りかえりました。

そして狩人かりゅーどは、もっと強い犬を連れつれ戻っもどってきたのです。

「ばあさま、悪いがもう一度勝負だ!」

ところがまたも、狩人かりゅーどの犬はおばあさんのネコに殺さころされてしまったのです。

駄目だめだ。あのネコに勝つかつには、もっと強い犬でないと」

狩人かりゅーどがとぼとぼ歩いあるいて行くと、村はずれのお墓に、のら犬のらいぬがたむろしています。

狩人かりゅーどは木の陰に隠れかくれて、強い犬がいないかとながめていると、そこに旅のアメ売りうりが笛を吹きふきながら通りかかっとーりかかって、犬たちに近づいちかずいていきました。

「はて? 不思議ふしぎな事をするアメ売りうりじゃ」

狩人かりゅーどていると、アメ売りうりはくるっとトンボ返りかえりをして、大きな犬の姿になりました。

突然現れあらわれた強そうな犬に、のら犬のらいぬたちは尻尾しっぽ巻いまい逃げにげてしまいました。

「おおっ、この犬なら大丈夫だいじょーぶだ。ばあさまのネコに勝てるかてるぞ。この犬に頼んたのんで、二匹の犬のかたきをうとう」

狩人かりゅーどがアメ売りうりの後をつけて行くと、アメ売りうりは一軒の宿屋やどや泊まりとまりました。

狩人かりゅーど宿屋やどや入っはいっていくと、アメ売りうり部屋へや行っいって今までの事を全てすべて話しはなしました。

「そんな訳だから、お前おまえさんにネコをやっつけてもらいたい」

「なるほど。

お前おまえさんの犬を二匹も殺しころしたそのネコは、おそらく、『ネコまた』だろう。

『ネコまた』とは、年老いとしおいたネコが妖力*持っもって、尻尾しっぽ二股ふたまた分かれわかれ化けばけネコだ。

『ネコまた』なら、犬が負けまけても不思議ふしぎはない。

だが、わしなら勝てるかてるぞ」

「ありがたい。では頼むたのむ

任せまかせておけ。ただし、わしが『ネコまた』を負かしまかしても、ばあさまが怒っおこっ襲っおそってくるだろう。

ばあさまの正体しょーたいは、年を取っとった大ザルじゃ。

何百年も年を取りとり、『ネコまた』を操るあやつるほどに妖力*を手に入れいれ化け物ばけものザルだから、わしでもたやすくは退治出来できん。

なにしろ化け物ばけものザルは、全身ぜんしん針金はりがねの様に丈夫じょーぶな毛で覆わおおわれているからな。

わしがすきをみて、ばあさまの手を上げあげさせるから、そこを逃さのがさず、お前おまえさんが鉄砲てっぽーわきの下わきのした撃っうってくれ。

わきの下わきのしたなら毛が少ないから、鉄砲てっぽー倒せるたおせるはずだ」

「よし、わかった」

こうして狩人かりゅーどはアメ売りうり化けばけた大きな犬と、おばあさんの家に乗り込んのりこんでいって、ネコまたと闘わたたかわせました。

そして犬がネコまたをやっつけると、おばあさんは顔を真っ赤まっかにして怒りおこりました。

「ウキーッ! よくもわしのネコまたを殺しころしてくれたな!」

おばあさんは大ザルの正体しょーたい現しあらわして、猟師りょーし襲いおそいかかりました。

「なにくそ。化け物ばけものめ!」

ズドーン!

猟師りょーし化け物ばけものザルの心臓しんぞー鉄砲てっぽー打ち込みうちこみましたが、針金はりがねの様な毛に覆わおおわれた化け物ばけものザルの体には、鉄砲てっぽーの玉は通用しません。

(そうだ、わきの下わきのした撃たうたねば)

その時、アメ売りうり化けばけた犬が化け物ばけものザルに噛み付いかみついて、化け物ばけものザルの手を上げあげさせました。

(いまだ!)

ズドーン!

狩人かりゅーど撃っうっ鉄砲てっぽーの玉は見事みごと化け物ばけものザルのわきの下わきのしたに命中して、化け物ばけものザルを退治する事が出来できたのです。

おしまい


狩人
りゅう
毎日
連れる
入る
獲物
今日
もとめる
山奥
入り込む
困る
暮れる
帰り道
分かる
見る
向こう
明かり
見える
今夜
あそこ
泊める
たより
進む
あばら家
おばあさん
住む
言う
食う
泊まる
つなぐ
入れる
見回す
馬鹿
イノシシ
倒す
思う
金色
光る
開く
確か
勝てる
信じる
立てる
おおう
のぞむ
どちら
けしかける
闘う
驚く
殺す
明ける
飛ぶ
帰る
戻る
駄目
勝つ
歩く
はずれ
のら犬
隠れる
ながめる
売る
吹く
通りかかる
近づく
不思議
くるう
トンボ
返る
現れる
尻尾
巻く
逃げる
大丈夫
頼む
つける
宿屋
部屋
行く
全て
話す
お前
やっつける
年老いる
妖力
持つ
二股
分かれる
化け
負ける
任せる
負かす
怒る
襲う
正体
取る
操る
化け物
出来る
全身
針金
丈夫
覆う
上げる
逃す
鉄砲
わきの下
撃つ
倒せる
わかる
化ける
乗り込む
真っ赤
ウキーッ
現す
猟師
ズドーン
心臓
打ち込む
噛み付く
見事

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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