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寝覚の淵の主

寝覚の淵の主

百物語

むかしむかし、木曽川きそがわ(きそがわ)のほとりの覚(ねざめ)の里には、年に一度、若い娘のいる家に白羽しらはの矢が飛んとんできて、それが刺さっささった家の娘を淵(ふち)に住むすむ主への生け贄いけにえ捧げささげなければならなかったのです。

そうしないと悪い病が流行っはやったり、大切たいせつなそばの実が一粒も実らみのらなかったりするのです。

ある年の事、今年ことしも一軒の家の屋根やね白羽しらはの矢が刺さりささりました。

その家にはおじいさんとおばあさん、そして一人の若い娘がいたのです。

三人は矢が立ったった事を知るしると、とても悲しみかなしみました。

ちょうどその頃、小川おがわ(おがわ)の里に、一人の行者ぎょーじゃ(ぎょうじゃ→修行僧)が住んすんでいました。

全国ぜんこく巡っめぐって修行を積みつみ大変たいへん法力ほーりき持っもっているとのうわさです。

おじいさんとおばあさんは行者ぎょーじゃ訪ねたずねて、懸命けんめいにお願いしました。

「どうか娘を、お助けたすけ下され」

話を聞いきい行者ぎょーじゃ祭壇さいだん(さいだん)に向かっむかってお祈りをして、こんなお告げおつげ言いいいました。

「七日の間に、イノシシを一頭捕っとってくるのじゃ。そうすれば、主を倒せるたおせるかもしれぬ」

おじいさんとおばあさんは急いいそいで山へ行くいくと、イノシシを求めもとめ山中さんちゅー歩き回りあるきまわりました。

そして七日目の昼に、ようやく一頭のイノシシを捕まえつかまえたのです。

おじいさんとおばあさんが行者ぎょーじゃのところへイノシシを持っもって行くと、行者ぎょーじゃは太く長い藤づるの綱と、太く大きな釣り針つりばりを用意して、これにイノシシを結びつけむすびつけ覚の里へと出かけでかけて行きました。

さて、淵には主退治の噂を聞きつけききつけ村人むらびとたちが、次々と集まっあつまって来ました。

行者ぎょーじゃ頃合ころあいいをて、藤つるに結んむすんだイノシシを淵へと投げ込みなげこみました。

すると淵の水が激しく渦巻きうずまき、綱がものすごい勢いいきおいでどんどん淵の中へと引き込まひきこまれたのです。

「それ、かかったぞ! 綱を引けひけ!」

行者ぎょーじゃの声に、村人むらびとたちが力を合わせあわせて綱を引っ張りひっぱりました。

すると淵の底からも、何者なにものかがすごい力で綱を引っ張りひっぱり返しかえします。

負けるまけるな! ここで逃せにがせば、二度と捕まえつかまえられんぞ!」

そのうちに風もて来て淵の周りまわりは嵐の様に荒れ狂いあれくるいましたが、村人むらびとたちは今までのうらみとばかりに必死ひっしになって綱を引っ張りひっぱりました。

さて、長い引っ張り合いはりあい続いつずいて、淵の綱を引き込むひきこむ力が弱まっよわまったかと思うおもうと、嵐もだんだんおさまってきました。

「今じゃ、一気に引き上げひきあげい!」

行者ぎょーじゃの合図で、村人むらびとたちは掛け声かけごえ合わせあわせて綱を一気に引き上げひきあげました。

こうしてやっと引き上げひきあげた物は、何と牛よりも大きな大山椒魚さんしょーうお(おおさんしょううお)だったのです。

「こいつが、淵の主の正体しょーたいだ!」

行者ぎょーじゃは杖を大きく振り上げるふりあげると、大山椒魚さんしょーうおの頭に振りふり下ろしおろしてとどめをさしました。

それからは白羽しらはの矢が立つたつ事もなくなって、村人むらびとたちは平和へいわ暮らしくらしたのです。

おしまい


木曽川
ほとり
寝る
白羽
飛ぶ
刺さる
住む
生け贄
捧げる
流行る
大切
実る
今年
屋根
おじいさん
おばあさん
立つ
知る
悲しむ
小川
行者
全国
巡る
積む
大変
法力
持つ
訪ねる
懸命
助ける
聞く
祭壇
向かう
お告げ
言う
イノシシ
捕る
倒せる
しれる
急ぐ
行く
求める
山中
歩き回る
捕まえる
づるの
釣り針
結びつける
出かける
聞きつける
村人
集まる
頃合
見る
結ぶ
投げ込む
渦巻く
勢い
引き込む
かかる
引け
合わせる
引っ張る
何者
返す
負ける
逃す
出る
周り
荒れ狂う
うらみ
必死
張り合う
続く
弱まる
思う
おさまる
引き上げる
掛け声
山椒魚
さんしょ
こいつ
正体
振り上げる
振る
下ろす
とどめる
なくなる
平和
暮らす

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

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「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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