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鬼が笑う

鬼が笑う

日本の民話

むかしむかし、ある村に、とても立派りっぱ屋敷やしき(やしき)に住んすんでいるお金持ちかねもちがいました。

そしてその家の可愛い一人娘ひとりむすめが、遠くとーくの町へ嫁入りよめいりをする事になりました。

嫁入りよめいりの朝、お迎えおむかえ

カゴ

花嫁はなよめ乗り込みのりこみました。

そして母親ははおや親戚しんせき(しんせき)の人たちが大勢たいせいカゴについて、峠を越えこえて行きました。

ところが急に空が暗くなってきたかと思うおもう黒雲くろくもがおりて来て、花嫁はなよめ乗っのったカゴをつつんでしまったのです。

そして黒雲くろくもはそのまま花嫁はなよめをさらって、飛んとんで行ってしまいました。

母親ははおや大事だいじな娘をさらわれてしまったので、どんな事をしても娘を探しさがし助け出そたすけだそうと思いおもいました。

そこで黒雲くろくも飛んとんで行った後を追って、山でも野原のはらでも林の中でも探しさがし歩きあるきました。

ある日の事、母親ははおやは大きな川の近くちかく野原のはらで小さなお堂を見つけみつけました。

そろそろ日がくれてくる頃だったので、母親ははおやはそこへ行っいっ言いいいました。

「もしもし。すみませんが、今夜こんやここに泊めとめてもらえませんか?」

すると中から、若い尼(あま)さんがて来て、

「ふとんも食べるたべる物もありませんが、こんな所でよかったら、どうぞお泊まりとまりください」

と、言っいってくれたのです。

母親ははおやはせまいお堂の中に入るはいると、疲れつかれていたのですぐに横になりました。

尼さんは自分じぶんていた衣を一枚脱いぬいで、母親ははおやにかけてあげました。

そして、

お前おまえさんの探しさがしている娘さんは、川向かわむかいこうにある

屋敷やしきにさらわれています。

屋敷やしき行くいくには橋を渡りわたりますが、橋では鬼に飼わかわれている犬が番をしています。

でも犬は昼のうちは居眠りをしているから、そのすきをねらえば渡るわたることが出来るできるでしょう。

けれどその橋はそろばん橋といい、玉がたくさんついていますから、その玉を踏まふまないようにして渡っわたって行きなさい。

もし玉を踏むふむと犬が目を覚ましさましますから、よく気をつけなければなりませんよ」

と、教えおしえてくれたのです。

母親ははおやはどうして尼さんが娘の事を知っしっているのか不思議ふしぎ思いおもいましたが、ひどく疲れつかれていたため、そのまま間グッスリとねむってしまいました。

夜が明けあけ母親ははおやが目を覚ましさました所は、驚いおどろいた事にあたり一面にヨシのしげった野原のはらで、お堂もなければ尼さんの姿も見当たりみあたりません。

ふと見るみると、そばには雨風あめかぜにさらされた石塔せきとー一つひとつありました。

不思議ふしぎな事もあるものね。泊めとめてくださったり、娘の事を教えおしえてくださったり。何さまかは知りしりませんが、どうもありがとうごさいました」

母親ははおや石塔せきとー向かっむかってお礼を言っいってから、尼さんに教えおしえられたとおりに川へ行っいってみました。

すると橋の近くちかくで犬が居眠りをしていたので、そろばん橋の玉を踏まふまないようにそろそろと気をつけて渡りわたりました。

無事ぶじに橋を渡りわたりきってしばらく行くいくと、

♪バッタン、バッタン

と、聞き覚えききおぼえのある機(はた)をおる音が聞こえきこえて来ました。

(この音は、娘が機をおる音!)

母親ははおやはその音の方に近づいちかずいて行って、娘の名前なまえ呼びよびました。

すると娘が、鬼の屋敷やしきから走り出はしりでて来たのです。

お母さんおかーさん、どうしてここへ?!」

お前おまえ無事ぶじだったのね!」

母親ははおやと娘は、抱き合っだきあって再会を喜びよろこびました。

今はちょうど、鬼たちは出かけでかけて行って留守です。

娘は大急ぎおーいそぎ母親ははおやご飯ごはん食べたべさせると、鬼に見つけみつけられないように母親ははおやを石のひつの中に隠しかくしました。

そして間もなく、鬼が帰っかえって来ました。

鬼は家に入るはいる人間にんげんのにおいがすると言っいって、あたりをクンクンとかぎました。

人間にんげんなど、だれもなかったよ」

娘がそう言っいっても、鬼は庭の花を見るみるためにて行きました。

庭の花には不思議ふしぎな力があって、家の中にいる人間にんげんの数だけ花が咲くさくのです。

鬼がてみると、今朝けさ一つひとつだった花が二つふたつ咲いさいていました。

お前おまえ人間にんげん隠しかくしているだろう!」

鬼が怒鳴っどなってきたので、娘はとっさに考えかんがえ言いいいました。

「そ、それはきっと、わたしのお腹おなか赤ちゃんあかちゃん出来できたからよ。そのために花が一つひとつ増えふえて、二つふたつになったのでしょう」

すると今まで怒っおこっていた鬼は急に飛びとびあがって喜びよろこび大声おーごえ出しだし家来けらいたちを呼びよび集めあつめました。

「祝いじゃ! 酒を持っもって来い! 太鼓たいこ(たいこ)も持っもってくるんじゃ! 早くしろ! 川の番をしている犬どもを殺しころして、酒のさかなにしてしまえ!」

鬼はそう叫んさけんで、飛び回りとびまわりました。

鬼の屋敷やしきはたちまち大騒ぎになりましたが、そのうちに鬼たちは酒によいつぶれて、みんな寝込んねこんでしまいました。

「今のうちだわ」

娘は石のひつから母親ははおや出すだすと、二人で鬼の家から逃げ出しにげだしました。

川岸かわぎし着くつくと船がつないであったので、二人はそれに乗っのっ向こう岸むこーぎしへこいで行きました。

その頃、眠っねむっていた鬼はのどがかわいて目が覚めさめました。

「おい、水をくれ!」

鬼は娘を呼びよびましたが、返事もなければ姿も見えみえません。

「さては、逃げにげたな!」

鬼は家来けらい起こすおこすと、一緒に母親ははおやと娘の後を追いおいました。

川岸かわぎし着いつい見るみる母親ははおやと娘の乗っのった船が、もう向こう岸むこーぎし近くちかくまで行っいっているのが見えみえました。

「それ、川の水をみんな飲んのんでしまうんだ!」

鬼が家来けらいたちに大声おーごえ言いつけるいーつけると、家来けらいの鬼たちは川に顔をつっこんで水をガブガブと飲みのみ始めました。

すると川の水はたちまちなくなり、母親ははおやと娘の船はどんどん後戻りして来ました。

いよいよ鬼たちにつかまりそうになったとき、あの尼さんがどこからか現れあらわれて、

お前おまえさんたち、グズグズしていないで、早くお尻をまくって鬼どもに見せみせてやりなさい!」

と、言いいいました。

尼さんも一緒になって三人が着物きもののすそをまくると、鬼たちにお尻を向けむけてプリプリプリッと振っふっ見せみせました。

さあ、それをた鬼たちはゲラゲラと大笑いです。

そのために飲んのんでいた水を、すっかり吐き出しはきだしてしまいました。

そしてそのおかげで船は向こう岸むこーぎしまで押し流さおしながされ、母と娘はあぶないところを助かったすかったのです。

ですが不思議ふしぎな尼さんはどこへ行っいったのか、そのままいなくなっていたそうです。

おしまい


立派
屋敷
住む
金持ち
一人娘
遠く
嫁入り
お迎え
来る
花嫁
乗り込む
母親
親戚
大勢
越える
思う
黒雲
おりる
乗る
つつむ
さらう
飛ぶ
大事
探す
助け出す
野原
歩く
近く
見つける
くれる
行く
言う
今夜
泊める
出る
ふとる
食べる
泊まる
入る
疲れる
自分
着る
脱ぐ
かける
お前
川向
渡る
飼う
ねらう
出来る
たくさん
踏む
覚ます
つける
教える
知る
不思議
ねむる
明ける
驚く
しげる
見当たる
見る
雨風
さらす
石塔
一つ
向かう
無事
バッタン
聞き覚え
聞こえる
近づく
名前
呼ぶ
走り出る
お母さん
抱き合う
喜ぶ
出かける
大急ぎ
ご飯
隠す
帰る
人間
におい
あたり
クンクン
咲く
今朝
二つ
怒鳴る
とっさ
考える
お腹
赤ちゃん
増える
怒る
あがる
大声
出す
家来
集める
持つ
太鼓
たいこ
くるむ
殺す
さかな
叫ぶ
飛び回る
よいつぶれる
みんな
寝込む
逃げ出す
川岸
着く
つなぐ
向こう岸
眠る
かわく
覚める
見える
逃げる
起こす
追う
飲む
言いつける
つっこむ
ガブガブ
なくなる
つかまる
現れる
まくる
見せる
着物
向ける
振る
吐き出す
おかげ
押し流す
助かる

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

20211028

元:地球くん

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