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ネコ女房

ネコ女房

百物語

むかしむかし、沖縄おきなわには八キロメートル以上も松並木なみき(まつなみき)の続くつずく海辺うみべがあり、その海辺うみべほら穴ほらあな化けばけネコが住みついすみついていました。

ある日の事、化けばけネコが美しい女に化けばけていると、その美しい女をネコとは思わずに一人の男が言いいいました。

「わしの女房にょーぼーになってくれ」

その男はなかなかに立派りっぱ顔立ちかおだちもよく、化けばけネコもこの男が気に入っきにいっ女房にょーぼーになりました。

男はとてもやさしく、ネコの女房にょーぼー負けまけじと男につくします。

やがて二人の間に子どもこども生まれうまれて、何年かたつうちに二人は三人の子持ちこもちになりました。

ネコ女房にょーぼー正体しょーたいがばれない様に人間にんげんのふりを続けつずけましたが、それでもネズミを見かけるみかける飛びつきとびつきたくてたまりません。

そこでネコ女房にょーぼーは男や子どもこどもたちがいなくなると、天井てんじょー裏に登っのぼってネズミを捕らえとらえ食べたべていました。

ある日、ネコ女房にょーぼー天井てんじょー裏でネズミを捕っとっていると、ふいに子どもこどもたちが帰っかえってきました。

ネコ女房にょーぼーはあわてて下へおりましたが、あわて過ぎて口にネズミをくわえたままです。

それを子どもこどもたちが、びっくりして言いいいました。

「かあちゃん、どうしたの!? ネズミなんかくわえて、ネコみたい」

ネコ女房にょーぼーはハッとして、ネズミを離しはなしました。

「いや、これはね、ネズミがあんまりうるさいので天井てんじょー裏へ行っいったら、いきなりかあちゃんの口に飛び込んとびこんで来たのよ。いい子だから今日きょーの事は、とうちゃんに言ういうんじゃないよ」

ネコ女房にょーぼーは何とか言いくるめいーくるめましたが、子どもこどもたちは信じしんじられないという顔をしていました。

夕方ゆーがたになって男が仕事から戻っもどってくると、子どもこどもたちは母親ははおや内緒ないしょ今日きょー出来事できごと話しはなしました。

「とうちゃん、かあちゃんが今日きょーね・・・」

話を聞いきいた男は、びっくりです。

なぜなら男も、以前いぜんから女房にょーぼーの事を不思議ふしぎ思っおもっていたからです。

女房にょーぼーは誰もいない事がわかると、ネコの様にゴロゴロと喉を鳴らしならしたり、時にはかまどの上に登っのぼって、ネコの様に手で顔を洗うあらう真似をしていたからです。

(もしかすると、女房にょーぼーの奴はネコにとりつかれたのかもしれないぞ)

男は心配になって、子どもこどもたちに言い聞かせいーきかせました。

「かあちゃんは病気かもしれないから、気をつけてやるように」

それ以来いらい子どもこどもたちは母親ははおやをおびえる様になりました。

(子どもこどもたちはおびえているし、おれも正直しょーじき女房にょーぼー不気味ぶきみでたまらない)

そこで男は思い切っおもいきって、女房にょーぼー別れ話わかればなし持ち出しもちだしました。

すると女房にょーぼーは、あっさりとうなずいて、

「あなたや子どもこどもたちに嫌わきらわれては、仕方しかたありませんね。別れるわかれる事にします」

と、その日のうちに家をて行きました。

(あいつ、どこへ行くいくのだろう?)

気になった男は、こっそりと女房にょーぼーの後をつけました。

男と別れわかれ女房にょーぼー後ろうしろ振り向かふりむかずに歩いあるいていって、化けばけネコの住みすみかであるほら穴ほらあなの中に消えきえました。

男がほら穴ほらあなの外から聞き耳ききみみ立てたてていると、奥の方から女房にょーぼーの声が聞こえきこえて来ました。

「どうやら、正体しょーたい見破らみやぶられてしまいました。せっかく、うまくやっていたのに。いつかこのうらみを、必ず晴らしはらしてやるわ」

すると、別の誰かだれか言いいいました。

「本当に、正体しょーたい見破らみやぶられたのか? お前おまえ化けばけ姿は、どうても人間にんげんにしか見えみえないはず。勘違いではないのか?」

「いいえ、ネズミをくわえているところを、子どもこどもたちにられてしまいました」

「そうか、それなら仕方しかたない」

話を聞いきいていた男は、びっくりです。

(まさか、女房にょーぼー化けばけネコだったなんて)

ほら穴ほらあなのネコの話しはなしは、まだ続きつずきます。

「しかしな、うらみを晴らすはらすといっても、相手あいて呪文じゅもん(じゅもん)を唱えとなえられたらどうする? われらはあの呪文じゅもん唱えとなえられたら、手出してだし出来できなくなるぞ」

大丈夫だいじょーぶよ。今どきいまどきの若い人間にんげんが、あんな呪文じゅもん知っしっているはずがないわ」

「まあ、確かたしかにな。知っしっているとすれば、村一番の年寄りとしよりのおばばぐらいだろう」

男はそれを聞くきくほら穴ほらあな離れはなれて、村一番の年寄りとしよりのおばばの家に行きいきました。

「おばば! おれの女房にょーぼーが、化けばけネコだった! 正体しょーたいがばれた仕返しに来るくるから、化けばけネコを追い払うおいはらう呪文じゅもん教えおしえてくれ!」

呪文じゅもんか。確かたしか呪文じゅもんは・・・」

おばばはそう言いいいながら、遠いむかしに覚えおぼえ呪文じゅもん思い出しおもいだしながら歌いうたいました。

♪ネコネコ鳴くなくな。

北風きたかぜ吹けふけば、南に飛ばさとばされる。

南風みなみかぜ吹けふけば、北に飛ばさとばされる。

♪ネコネコ鳴くなくな。もう鳴くなくな。

男は呪文じゅもん言葉ことばをしっかり覚えるおぼえると、家に戻っもどって行きました。

その晩、男が子どもこどもたちを寝かせねかせていたら、表から気味きみの悪いネコの鳴き声なきごえがひびいてきました。

「フギャー! フギャー!」

男はネコの鳴き声なきごえ向かっむかって、教えおしえてもらった呪文じゅもん唱えとなえました。

♪ネコネコ鳴くなくな。

北風きたかぜ吹けふけば、南へ飛ばさとばされる。

南風みなみかぜ吹けふけば、北に飛ばさとばされる。

♪ネコネコ鳴くなくな。もう鳴くなくな。

すると、ネコの鳴き声なきごえがおさまり、

「くやしいー!」

と、言葉ことば残しのこして、一匹のネコが立ち去ったちさって行くのが見えみえたという事です。

おしまい


沖縄
並木
続く
海辺
ほら穴
化ける
住みつく
化け
言う
女房
立派
顔立ち
気に入る
負ける
つくす
子ども
生まれる
子持ち
正体
ばれる
人間
続ける
ネズミ
見かける
飛びつく
たまる
天井
登る
捕らえる
食べる
捕る
帰る
あわてる
おりる
くわえる
見る
離す
はねる
行く
飛び込む
今日
言いくるめる
信じる
夕方
戻る
母親
内緒
出来事
話す
聞く
以前
不思議
思う
わかる
鳴らす
はかま
洗う
とりつく
しれる
言い聞かせる
つける
以来
おびえる
正直
不気味
思い切る
別れ話
持ち出す
うなずく
あなた
嫌う
仕方
別れる
出る
あいつ
後ろ
振り向く
歩く
住む
消える
聞き耳
立てる
聞こえる
見破る
いつか
うらみ
晴らす
誰か
お前
見える
相手
呪文
じゅもん
唱える
手出し
出来る
大丈夫
今どき
知る
確か
年寄り
離れる
来る
追い払う
教える
覚える
思い出す
歌う
鳴く
北風
吹く
飛ばす
南風
言葉
寝かせる
気味
鳴き声
ひびく
フギャー
向かう
おさまる
残す
立ち去る

: N1

: N2

: N3

: N4

: N5

muksi, kanayomi

「今日は何の日?」

2021613

元:地球くん

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